第23話
「偵察なんて、まだいらないでしょ!」
クラスの委員長が玲唯たちに怒った。
本気じゃないのもわかっているので、玲唯たち男子はへらへらしている。
「ごめんなー」
「なにか収穫あったの?」
「いやなかった」
「はあー?」
不毛なやりとりは終わり、委員長の「さっさとやってね」という一言でお説教タイムは終わった。
玲唯たちは話しながらも、係の人々と教室のレイアウトを真面目に考えている。
チラリと目をやると、そこにはあからさまに玲唯にアピールする女子がいた。
ー無駄なのに…。
きっとその子もわかっている。
無駄だということは。
それでも最後だからと頑張る女の子はやはりいるのだ。
制服の袖が邪魔だといわんばかりに腕まくりをする玲唯に少しときめいた。
「見惚れるのもほどほどにね」
「み、見惚れてないよ」
「はいはい。」
里奈が愛想笑いをする。
本当は里奈はこういいたいのだろう。
ー最後だからとアピールする女子の方が、よっぽど潔いんだよー
って。
ため息をついて玲唯から視線を外す。
耳だけはしっかりと玲唯が紡ぎ出す声を捉えていた。
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