第9話

学校の校門にたどり着く。


一緒にいるのは【幼馴染】という免罪符を得て、一緒に校門をくぐっても誰も何かを言うことはない。


玲唯の友達が何人か「おはよー」などと声をかけてくる。


「玲唯!」


「え?」


「ん?」


私たちの後ろから声がする。


その声に私と玲唯は振り返った。


その途端、玲唯の表情が変わるのが隣にいても分かった。


さっきとは違う、眩しい笑顔。


詩織しおり!」


色素の薄い茶色がかったロングヘアに、白い肌。


私はこの子が嫌い。


いや、嫌いになるしかなかった。


バスケ部の元マネージャーで、


玲唯の【好きなひと】。

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