第6話

「よ」


玄関を出ると、私の家の塀によりかかる玲唯がいた。


「玲唯」


「一緒に行こうぜ」


「まあ、いいけど」


元々学校に一緒に行くことが多かった。


小学生の頃から家が近くて、いつもセットで学校に行っていた。


バスケ部の朝練があると先に行ってしまう玲唯が普通になっていたが、引退し、また昔のようになった。


それを少しくすぐったく感じる。


また玲唯の隣を歩けることが嬉しかった。


白いシャツに指定の緑のネクタイ。


腕まくりをして、その右手に黒いリストバンドをするのが玲唯の普通だった。


ー身長差が、こんなにあっただろうか?


肩幅も広がり、160cmの私は180近い玲唯を見上げる形になっている。


綺麗な黒髪に、二重のぱっちりとした目。


高校に入って身長が伸びた玲唯がモテるのに、そう時間はかからなかった。

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