第5話
「お姉ちゃんと玲唯くんて付き合ってるの?」
「ゴホ。」
スープが喉に引っかかる。
お母さん、お父さん、妹、私で朝ごはんを囲んでいると、唐突に紅羽が言った。
「あらーそうなの?玲唯くんなら安心だわ」
「そうなのか?楓?まだ早くないか?なぁ」
おっとりとした母と対照的な父。
全く、いつの年代の人も恋バナが好きなのだなと思う。
ってか。
「付き合ってないし」
「やった!まだチャンスある!」
「えー、玲唯くんが息子なら嬉しいのに…」
「母さん。高校生にお付き合いなんてまだ早いだろ。というか紅羽、小学生だろお前は」
「関係ないもん。玲唯くんかっこいいし」
それぞれがそれぞれの価値観で話を進める。
「はぁ…」
長年一緒にいても、玲唯とは付き合ってない。
というか、付き合えない。
コーヒーにミルクを入れ、一気に喉に通した。
「行ってきます…」
そう言ってわいわいと騒ぐ家族の中から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます