第5話

side ?


「なぁ、先輩聞いてよ。莉音の奴、あんなに威張ってた癖に首席とれなかったんだってさ」

「だからもういいだろ!!言うなよ、神楽。

先輩、無視して良いよこいつ」

男は、ハナから聞いていなかった。

1年の教室前廊下にいたある少女を見ていたからだ。

「あいつ……」

「先輩、なんか言いました?」

「…いや、何でもねぇ…」

男が再びそこを見た時少女は既に居なかった。


カラーバリエーション豊かだな…。

教室に入っての第一印象は、それだった。

別に教室の内装がって訳じゃなくて。

クラスメイトらしい不良達が。

緑や紫、オレンジ…、そんな頭してる奴で溢れてる。

それも男だけじゃない、女もだ。

それだけじゃなくて、カラコンとかしてて。

やっぱりこれが不良校の『当たり前』なんだ、

と思ってしまった。

いやぁ、覚悟はしてたけど……凄いわ、不良校っていうやつは。

私が通っていた中学は、入るのに受験が必要な私立女子中だった。

まぁ、そこはそこで色々大変だったんだけど。

そもそも、私は学校というものが嫌いだ。

何て言うか、自分でもよく分からないけど。

他人に合わせるとか、探り合いとかっていう行為には、虫酸が走る。

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