第40話

「んぎぎぎぎ…」


案の定、2人の娘たちには靴は入らなかった。


「はぁ…ここも違うな。帰るぞ」


トレメイン夫人が悔しそうな顔をした。


〜♪〜♪


「…ん?」


歌声?


綺麗な、忘れもしない、彼女の声。


もしやー?


「お引き取りください王子。もう用は済みましたはずでは?」


「ここに、もう1人娘がいるのではないですか?」


ギクリ。


夫人からそんな音がした。


「王室命令です。彼女に会わせてください」


「…」


夫人は何も言わずに上の階へ上がっていった。

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