第37話

階段でキラリと光るもの。


「これは…」


城のシャンデリアが輝かせる、ガラスの靴。


間違いなく彼女が履いていたものだった。


「逃げられたのか…?」


「父上」


小さな彼女の靴を握り締めて言う。


「俺は、彼女と結婚します」


「彼女は誰だ、王女ではないではないか」


「それでも、」


顔を上げて、


「それでも、私はあの子と結婚したいです」


強く言い切った。

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