第34話

「あの…下手…ですよね…」


「大丈夫、僕に任せて」


君とずっと踊っていたい。


君とこの見つめ合える時間をずっと続けていたい。


俺は、君がー。


曲が終わる。


本来であれば他の王女たちとも踊らなきゃいけないだろう。


けれど、俺は彼女を選んだ。


「ここは…慣れません」


彼女が下を向いてしまった。


「でしたら、中庭へ行きましょう。案内致しますよ」


スッと腕をまげると、ぎこちなく彼女は手を添えてきた。


手から伝わる熱があつかった。

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