第33話

「は、初めまして…」


曲が鳴る。


舞踏会の始まりだ。


「俺と踊っていただけませんか?」


「…でも、私、踊れません…」


はにかむ笑顔が美しい。


野暮な言葉はいらない。


「大丈夫、僕に任せて」


僕、なんて言って。


彼女の細い腰を支えた。


綺麗にひるがえる水色のドレス。


それよりも、


頬がピンクに染まり、俺を見つめるその碧い目に、見惚れていた。

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