第31話
退屈だ。
何もかも、退屈だった。
生涯の伴侶をと、父が意気込んだせいで何度も開かれる舞踏会に何の期待も抱かなかった。
俺の人生が何かのレールの上を乗っているようで何もかもが嫌だった。
舞踏会で会うのは、俺に媚びへつらう女たち。
何が美しいというんだ。
何度も国名と王女たちの名前が読み上げられる。
何度礼をしろというのだ。
つまらない、つまらない、つまらない!
むすっとして参加する舞踏会はもう何度目かわからなかった。
なのに。
今日だけは違った。
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