第16話

「しょ、翔太」


「お前どこ行くんだよ」


「お知り合いですか?」


翔太に駆け寄った私の前にずいっと天王寺くんが入ってきた。


「誰だお前」


「天王寺海斗です。以後お見知りおきを」


「…」


「…」


にこやかなイケメンと目がつりあがったイケメン。


なぜか睨み合っている。


なにしてんだこの人たち。


私たちはさらに目立っていた。


「お前…」


「すみません、私は莉音さんに用があるんです。そこ、通してもらえますか?」


「ご、ごめんね翔太…また後で話すから」


とりあえず痛い視線に耐えきれず、天王寺くんに素早くついていった。


ーあぁ、翔太になんて説明しよう…。

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