「桜！」

「あら莉音、翔太、おはよう」

眠そうな身長が低い女の子が座席に座っている。

もう1人の幼馴染の桜だ。

ふわふわの髪が特徴で、メイクをしなくても大きな目が印象的。

何度か男の子に告白されていることは知っていた。

一方私はポニーテールで、なんとかメイクをして顔を保っている。

【桜ちゃんのふわふわの髪、莉音ちゃんと違うね】

小学校での苦い記憶。

あはは、と笑ってやり過ごしたがそれ以来髪を下ろさなくなった。

桜は可愛い。

だから、

翔太が選んだんだ。

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