第78話

◇◆◇◆◇◆


ー3日後


「…行くぞ、凌駕。

 そっちは好きに動け、雫」

「あぁ」

『りょーかい』

インカムから気の抜けた雫の声がする。

『もう少し真面目にやろうよ雫。

 自分がどれだけ重要なポジションに居るのか分かってる?』

『はいはい、分かってるよ』

『絶対分かってないよね、雫くん。

 情報は上手く使ってよね、僕も気を使ってるんだから』

兄弟から一斉に総スカンを喰らう。

「…雫?」

『…巡に言われちゃ仕方ないなぁ、分かったよ。

 真面目に相手にしてあげれば良いんでしょ、真面目に』

「待て、雫はやり過ぎるなって俺言っただろ。

 俺に従うって言ったんだから、程度を考えろ。相手を弄ぶなよ」

『バレたか、流石だな』

インカムだが、性能は良い。

雫の声以外にも聞こえてくるものがある。

薄っすらと愛流さんの声も聞こえた。

『程々に暴れるか…じゃ、荷物頼んだぞ愛流』

『はい、お任せを雫様』

「……行動開始だ、各々なすべきことをなせ」

『了解』

4人の声が重なり、決行の時間になる。

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