bezauberndes Mädchen

第65話

凌駕の兄貴の1件が片付いた頃。

『柘榴』の動きが更に活発化した。

予想はしていたが、巡と雫が特に被害を受けているらしい。

巡はたまに怪我して帰ってくる時もあった。

「巡、今日雫くん見た?」

「見てない。また北校舎じゃない?」

「なんだよアイツまたサボりか?」

「凌駕が言えることじゃんないだろ。

 雫はお前と違って頭いいから、授業受けるが必要がない」

授業が免除されている生徒会だが、流石に考査は参加する。

それ故ある程度点数を取れる様に準備しておくのが基本だ。

…まぁ、凌駕は例外だが。

先日あった考査では、見事満点を取った雫。

全員が驚いたが本人は無反応。

むしろそれが当然とばかりに首傾げた。

「ほんと雫って規格外じゃない?」

「どうやったらあんな子生まれるんだろうね」

雄大が頬杖をつきながら呟く。

「別に普通に生まれただけだけど…」

「うひゃっ!!」

突然背後からにゅっと現れた雫に雄大の身体が少し飛ぶ。

「幽霊が出たみたいな反応しないでくれる?」

「ごめんって、怒んないで」

「俺は怒れないから怒らないよ。

 というか何の話してたの」

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