第54話
「なにするのさ?!」
「お前馬鹿じゃないけど阿呆だと思ったから」
「思ったままに行動するのやめよう?いつか他人に不快感を与える」
「お前らにしかしないから問題ない」
「そういうことじゃない!」
溜め息を吐く彼に対して、俺は半顔で見つめる。
どうして阿呆だと言われるのかすら理解が出来ないからだ。
僕は自分で言うのもなんだけど頭は良い。
この頭がなければ巡と凌駕は今僕らと同じ学年ではなかっただろう。
それを真正面から阿呆だと言ってくる人は初めてだ。
「…じゃあ聞くけどさ、義兄弟って必ずしも相手を兄弟だと思わないといけない
とかそういうルールでもあんの?その前に別の関係性があるなら
そう思うのは難しいと思うけど」
「え」
「現実的な話じゃないけど、少女漫画とかで好きな人と義理の家族になった話
とかじゃあ結局家族として見れないってなるじゃん。あれは正しいと思う」
「正しい?」
「兄弟としての記憶より、その前の関係性の記憶の方が自分の中に強く残る。
それが大事な記憶なら尚更だ。お前にとって巡との記憶は大切だろ」
拍子抜けした。
そんな単純で良いのかと。
「でも、僕は…巡も、沢山悩んできて、そんな簡単に済むかな…?」
「悩みすぎて自分の本当の気持ちが見えなくなったんだろ。
思い出してみたら?兄弟になった時の、巡との思い出」
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