Stiefbruder und Bruder

第45話

◇◆◇◆◇◆


『今日からあの人とあの子が家族になるのよ』

母にそう言われて、目の前の人影を見た。

どちらも、見知った顔だった。


「――っ!!」

ガバっと一気に身体を起き上がらせた。

自分の肩を抱きながら、荒い息を繰り返す。

しばらくして、それが深呼吸に変わり、自然と落ち着いて来た。

「……最近見てなかったのにな」

あれは悪夢だ。

過去に経験した記憶の一部。

自分の中で、一番嫌いな記憶。

「一番か、それとも二番か。もう分からないな」

「巡くん〜、そろそろご飯出来るよ」

下の階から男の声がした。

義父の声だ。

「着替えたら行くよ」

そう返事を返して、ベッドから降りた。


「あれ、雄大は?」

「斎くんから連絡があって行っちゃったよ」

「そっか」

「巡くんも行くかい?」

「多分、いつ帰るかは分からない」

「そう、遅くなるなら連絡してね」

「うん」

いつもの、普通だけど、どこがぎこちない会話。

血の繋がりは関係ない、という人は居るけど、

俺はそんな事無いと思う。

義父である雄大の父は、近いけど遠い関係の人間。

10年経っても、この関係は変わることはない。

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