第39話
◇◆◇◆◇◆
「ときに須崎の。彼奴等をどう思っておる」
「…どう?」
「そうじゃ。人間嫌いのお主にとって彼奴等はどの様に見える。
特に岬の坊は、基より近しい存在であるだろう」
濁ったホワイトベージュの瞳は私から視線をずらさない。
「…凌駕は、アイツと似てる」
「まぁ、そうじゃろうな」
「でも、アイツとは全く違う」
「うむ。岬の坊は純真無垢な瞳をしておる。
お主等の家では珍しい奴じゃろうて。私も常々思う」
岬の坊にはある秘密が隠されておる。
それを知るのも恐らく限られた人間のみだろう。
「アレは、嫌いじゃない。でも、好きじゃない」
「須崎のにしては珍しいの、そこまで悩むことかえ?
お主は何事にも芯を曲げず、思いのままにすべてを決めたじゃろう?」
「…そういう顔に見える?」
「少なくとも柳の様な他人には分からんじゃろう。のう、柳?」
後ろに控える柳に視線をよこすと彼は笑った。
「そうですね。私からすれば、
須崎様の無表情が変わっていない様に見えます」
「昔からの勘とも言えるの。
私や愛流程近しい相手しか分からん」
ニコリと笑うと、須崎のは僅かに瞳が揺れる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます