Geheimnis
第25話
「…へぇ、面白いねお前」
「何が?」
「いや?そういや岬家の人間だっけ」
何が面白いだ、一切心の声は聞こえないし、表情も変わらない。
そんな人間居てたまるか。
「で、それを俺に言って何をしたかったの?」
「…俺の家の話だ」
俺が勝手に始めた話を、雫はしっかり聞いてくれるらしい。
「俺は親に捨てられてる」
「…あぁ、そういえばそんな話聞いたな」
『読心術』を知るということはこの家系の人間だということなので、
その言葉には反応せずに話を進めていく。
「捨てたくせに俺を引き戻そうとしてるらしいから、
その理由が知りたいのと…」
「それ以外にもなにかあるのか?」
「…兄貴と会って話がしたい」
俺と違って、捨てられることがなかった4つ年上の兄貴。
俺を捨てたのは両親だが、俺を岬の家に送ったのは兄貴だと聞いた。
何故親族である岬家に俺を送ったのかが、知りたかった。
「それ、知りたいの?」
「え?」
「お前が思っているよりもお前の家系は複雑だ。
知らなくて良いもの、知らない方が良かったものが必ず出てくる」
まるで既にそれを知っている様に話す雫の言葉には、何故か説得力があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます