第21話

「……バイク、今日置いていっても良い?」

「あぁ、構わないがどうした?」

「面倒事が起きたらしい。今から迎えが来るって」

その言葉を最後に、5分ほどして雫は倉庫を去った。


――翌日――


「おはよう、雫くん。今日は遅かったね?」

「…ん」

随分と反応が遅れたその返事を気になったのはその場に居た全員。

巡は心配そうな表情で雫の傍に寄る。

そんな巡の頭を撫でながら「心配するな」と返す。

「迷惑をかける事はないから心配しないでいい」

それだけ零した雫は、カバンを置いて北校舎に向かった。

「不機嫌なのか、雫の奴」

「……違ぇよ、んなもんじゃねぇ」

俺の言葉に反応したのは珍しく凌駕だった。

「根拠もなく、言うの?」

「俺には分かる、ただそれだけだ」

雫に続いて凌駕も生徒会室を去る。

「……凌駕にしては珍しいよね?あんな事言うなんてさ」

「雰囲気もなんか違ったし、なんなの」

「さぁな、気にしても無駄だろ。凌駕はそういう奴だって知ってる」

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