第11話

「須崎く〜ん、今日一応生徒会の会合みたいなのあるから

 放課後は生徒会室来てね〜!」

という雄大の呼び掛けに、須崎は右手を振って答えた。



ー放課後ー

「移動すんの?」

「あぁ、話したいのは学園のことってよりか俺達のことだからな」

1日何処に居るか分からなかった須崎だが、放課後にはちゃっかり生徒会に

顔を出していた。着ていた筈のブレザーは無くなっていたが。

巡がブレザーは何処にやったのかと聞いた時は、

「女の子の香水染み付いたから捨てた」と平然と答えた。

巡も女嫌いの節があるからか、普通に納得していたが、普通納得しない。

たった1人の女のためにブレザーを簡単に捨てるなんて、おかしい。

「お前結構豪快なんだな!」

「豪快って方が出てくるのが不思議だな。

 岬クンだっけ、君はそういう男の方が好ましい?」

「まぁな、雄大みてぇな得体の知れねぇ奴は好きじゃねぇよ」

「間接的に僕をディスらないでくれる?」

「あぁ?うっせぇな」

凌駕が須崎から離れると、今度は巡が須崎に近づいた。

「ねえ、アンタもし女が抱いてって強引に近づいてきたらどうすんの?」

「え…その気になってるふりして身包み剥いで外に捨てるか、

 取り敢えず殴るかな」

「前者の理由が分からない」

「そういう事してくる女は自信過剰な奴しか居ないから

 鼻っ柱叩き折ってやれば他の奴らの牽制にもなるから。実際そうだし」

「へぇ、俺も今度やろう」

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