第7話
俺達は全員人には簡単に言えない秘密を抱えて今日まで生きてきた。
それが、彼にもあるというのなら。
「……どうにかしてやりてぇな、あるなら」
「やっぱり斎は優しいね」
「うっせ、さっさと生徒会室行くぞ」
「はぁい」
この後は普通に授業があるが俺達は当然の様に行かない。
生徒会役員の特権で、登校さえしていれば授業に出なくとも良いという
生徒会役員特典が存在しているからだ。
その日の内に一度学校に来ていれば構わない。
今までの生徒会役員は、一度学校に来てそのまま何処かへ出掛けたり、
家へ帰る奴ばかりだった。
〈生徒会室〉
「遅かったな、斎」
「ン、お前は速攻来たな凌駕」
生徒会室の扉を開けば居たのはナチュラルブロンドの男。
岬 凌駕(みさき りょうが)だ。
「で、テンコーセーは連れてきてねぇの?
初日は授業中に連れてきて説明とか何やらやるんだろ?」
「来てないの須崎くん」
雄大の声に答えたのは凌駕ではなくもう一人の生徒会メンバー。
「…さっき見たけど、北校舎には居た」
雄大の義理の弟、藤代 巡(ふじしろ めぐる)。
「へぇ、初日にそこに行くなんてアイツと似てるね。
じゃ、今季始めの仕事は須崎くん探しからかな」
雄大の楽しそうな声と共に、俺達は生徒会室を出た。
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