三澄悠太君の全然強くならないニューゲーム

「ちょっと待て、それどう言う事だよ……?」


「言葉のままの意味ですよ。


今の悠太さんは、既に死んでるのに私の知り合いと、その人を手駒に取ってる悠太さんを殺した……まぇ仮にXとしましょうか。」


「ネーミングセンスが厨二……「何か言いましたか!?」」


ひーん、怖いよう……。


「兎に角私の知り合いとXが作り出した世界だからこそあなたは存在出来ている訳で、当然この世界が無くなればあなたはそのまま天界に旅立つ事になりますね。」


「掌の上で転がされてるって訳か……。


でもさ、それと高校卒業までにってのとどう言う関係が……いや、まさか……。」


「多分そのまさかですね。


この世界が続く条件としてあなたが高校卒業までに彼女を作る事、と言うのが条件になっているようです。」


「なんてこった……。」


「と、言う訳ですから諦めてちゃっちゃっと彼女を作りましょうよー。」


「確かにそれなら彼女を作るしか方法はなさそうだ。」


「うんうん、話が早いようで……「しかしだが断る!」」


「えー……。」


「良いか、学生恋愛なんてファンタジーだ。


下駄箱に手紙なんて十中八九嘘告白の呼び出しか、もしくは差し出し人がいつまでも現れない呼び出し、いや……!実はイタズラ目的で男が描いたと言う可能性も捨てきれない……。本命チョコ?そんなもの都市伝説だ。


第二ボタンなんて見栄張って自分で引きちぎる物だし、クリスマスのお誘いなんてクラス会に決まってんだろ!


ソースは俺。」


「うわぁ……。」


「いや……でも待てよ……。


今の俺は転生した訳だし転生前より……!」


「あ、その辺はお変わりないのでご心配なく。」


「何がご心配なくだ!もはやご心配しかないわ!」


「うわぁ...めんどくさいなぁこの人……。」


「いや……でも待てよ。」


「うーん……この流れだとまぁたロクでもない事思いついてそうだなぁ……。」


「俺にはひーちゃんが居るじゃないか!?」


「やっぱりだ!?


いやいや……なんでそこで妹が出てくるんですか……。」


「だって考えてもみろ。


姓が一緒で、一つ屋根の下、家族として暮らしている地点である意味これは夫婦と言っても過言では……「いや……ものっそ過言ですが……?」」


ダメかぁ……。


「このシスコン……。」


結構マジなトーンでの罵声やめてくださいw


「ってもなぁ……。」


「学生時代、気になる人とかいなかったんですか?」


「うーん、そうだな。


これは中学の時の話だが。


クラスにボーイッシュな女子が居たんだ。


名前は神田旭かんだあさひ。」


「へぇ、仲良かったんですか?」


「まぁな。


女子だけど男子の友達も多かったし、少女漫画より少年漫画が好きだからそっちの方が気が合ってたんだと思う。


明るくて優しかったから俺にも普通に話しかけてくれたんだ。


俺の家でもう1人の女友達も交えてゲームをした事もある。」


「なぁんだ!結構モテてるじゃないですか!」


話を聞いてニヤニヤするリオ。


でも現実はそう上手くはいかないもので……。


「格ゲーでボコボコにされて男としてのプライドズタボロでしたが……?」


「ま、まぁまぁ……。


幾らもう一人居るとは言え全く興味無い人の家に遊びに行ったりしないと思いますよ……?」


「そう思うだろ……?


でもな、人間恋をすると変わるって本当だよな。


高校の時SNSでまた話すようになった時にはさ、すっかり恋する乙女になっててさ……。


ボーイッシュだった面影なんて微塵もない、その上あの時好きだった少年漫画も、そのキャラも今は興味無いとか言ってて……。


兎に角もはや別人だったんだよ!」


「あ……あらぁ……。」


「彼氏に振られそうとかで病んでたからさ、俺になにか力になれる事はあるか?って聞いたら無い、あんたなんかに出来る事ないし、自分ならどうにか出来ると思わない方がいいよ?


と……嫌悪感と共に突っぱねられたのはトラウマ……。」


「いやいや!なんかもっと無いんですか!?


もっと明るい話題!そう!誰かに告白されたとか!」


「あぁ……一度だけ面と向かって告白された事があったな。」


「お!良いですね。」


豊原幸恵とよはらさちえ、年は俺の四つ上で、働き始めた頃に出会った人ではあるが知り合いとの飲み会の席で知り合った。


俺の事が好きで悠太君以外有り得ない、と言っていたが今は沢村幸恵さわむらさちえさんだ。」


「いやいやいや!?


脈絡無さすぎません!?


何がどうなってそうなったんですか!?」


「そんなもんなんだよ、恋愛なんて。」


まるで酒でも飲んだかのような感じだ。


飲んで酔っ払った時は全てを忘れて笑って居られる。


でもそれがが覚めてしまえば、途端に現実を突き付けられる。


そんな時間があったのかすら信じられなくなってしまう。


「ひーちゃんが良いってのもさ、あながち冗談ってだけでもないんだよ。」


「またあなたは……。」


「いや、マジマジ。


俺一度ひーちゃんに告白した事があるし。」


「え!? 」


「まぁ、フラれたけどな。


ひーちゃんその時普通に彼氏居たし。」


「あー……。」


「でもひーちゃんはそんな俺の気持ちを受止めて感謝してくれた。


今だって本当の妹のように……今は本当の妹だけど……お兄ちゃん、だなんて呼んで慕ってくれてるんだ。


本当、俺には勿体ないくらい可愛い妹分だよ。

ひーちゃんは。」


「素敵ですね……。」


そう呟きながら、リオは可愛らしい笑みを浮かべる。


「そうだろう。


と言う訳でひーちゃんと家族になった今は…「それとこれとは話が別です。」」


ダメかぁ……。





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