第49話
「死ぬかもって思った瞬間ある?あの感覚と一緒。怖いでしょ?だから一人は嫌なの。お願い、一人にしないで……」
放って置けないと無意識に思わせる脆い瞳。
支配欲の他に、庇護欲も掻き立てられてしまっている現状に龍之介は戸惑っていた。庇護欲など百合に抱く自分が理解できない。
そして同時に、龍之介はこの瞳に既視感を感じていた。
「龍ちゃんは私が死んでも構わないって言うの〜?」
「目覚ましでも設定しとけばいいだろ。当然のように厚かましく生きてると思うぜ」
「理屈っぽい子ね〜。そんなんじゃモテないわよ〜」
「余計なお世話だ」
百合は無邪気に笑いながら、龍之介の胸に擦り寄った。上手く拒絶ができない。頬をスリスリさせ、縋るように戯れ突くその姿に龍之介はハッと気付く。
この既視感の正体は、本家で飼っている猫のエイミーだった。
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