第48話
「……この部屋は好きにしていい。あんたのストーカーの件は俺もできるだけ協力する。解決するまでは、単独行動は一切禁止だ。このマンションを選んだのは組の奴等が何人か住んでるからだ。移動はそいつらを使え。解決次第、以後は他所へ行くなりなんなり自由にしろ」
「……龍ちゃんは、毎日来てくれないの?」
「ヤる時くれえだろ」
「なら私は誰と寝たらいいの。一人じゃ眠れないのよ。寂しくて怖くなる」
「んなガキじゃあるめえし」
「さっきはガキだって言ったじゃない」
「俺からすりゃあ、ガキって事だ」
「ねえ、お願い〜。一人で目を閉じるのが怖いのよ〜」
百合は甘えるように微笑んだ。
『そのまま死んじゃいそうで』と続けて子供じみた事を言ってのける。そんな子供じみた言葉を本気で言っているのだと悟れたのは、綺麗で妖艶で哀愁の宿った厄介な瞳からであった。
「私ね、一人が嫌いなの。死んじゃう」
まただ——出会った瞬間から、この寂しそうな眼の奥が苦手だった。
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