第47話
「……じゃあ、クラブまで送って。貴方が帰宅するまで、遊んでくるわ」
「却下だ」
「じゃあ、龍ちゃんがいい。寝よう?」
百合はおもむろに立ち上がると、龍之介の腰に手を回して甘えるように密着しはじめた。今までの男は、喜んでこの我が儘を聞き入れていたのだろう。
生憎、自分にはそんな時間もなけりゃ、そんな気もない。やんわりと拘束を解いた龍之介だったが、百合はぎゅっとその腕を離さなかった。
視線が絡んだ瞬間、龍之介は即座に逸らした。
ーーなんだよ、その目は……。
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