第41話

「人前でするもんじゃねえだろ。あんたの言動は下品すぎて目に余る」


「は〜?結婚式では人前でキスするじゃん〜」


「あれは、正式な場であって——」


「もう〜龍ちゃん面倒くさい〜。いつまでプンプンしてるの?さっきは優しく抱き締めてくれたし、vipでも優しかったのに〜」


「俺は優しさなんざ持ち合わせてねえんだよ。あんたが喋ると思考が乱れる。黙ってろ」


「え〜、嫌よ〜。寂しいもん」


「あんまうっせえと、ホント痛い目合わせるぞ」


「あらそう。なら私だって、怒りん坊さんな貴方のこと殴ってやるんだからね」


「返り討ちだ、アホが」





額を押し合いながら、二人は小声でやり取りを交わしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る