第38話
「龍……その得体の知れん、低俗な女をどうするつもりなんだ?正直、気分が悪いのだが、」
「お前の気持ちは否定しねえよ。大いに同感だ。んでも少し訳ありでな。期間は未定だが、一時的に保護することになった」
「その女の事情は毛ほども興味ないが、身元は知れてるのか?……面倒が伴うようなら早急に切り捨てるべきだ」
「ああ……お前の手は煩わせねえから安心しろ」
「……龍の悪いところが出たんじゃないのか。俺がこの女を牽制してれば、こんな面倒は起きなかった」
「……お前、下手したら殴るだろ」
「そんなヘマはしない。……だいたい、龍はその甘いとこさえーー」
「甘くねえよ。ふざけんな」
不機嫌な顔付きで舌を鳴らす龍之介に、水瀬はやれやれと溜め息を吐いた。
「龍なら、何も心配はないが……その女はしっかり管理しとくように。それと今後、同じようなことがあれば俺が対応する」
ミラー越しに会話が進む中、百合は起きる事もなく龍之介の胸にスリスリと頬擦りをしていた。そんな百合を見て水瀬は煙たそうに視線を逸らした。
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