第24話

「なんで見破るのよ……意地悪……」


「初めから作為がダダ漏れなんだよ。白々しい」


「ヤルことヤッたら捨てるのね」


「あんたが誘ったんだろ」





セックスまでは漕ぎ着けたが、衣食住の確保までは出来なかった。初めてのことだらけだったが……まぁ、いい経験だったと片付けて思い出に閉まっておこう。





「家まで送る。それと風邪引いちまうからさっさと服を着ろ」


「え?だから、家はないって言ってるじゃない」


「あ?嘘なんだろ?」


「泣き真似はしたけど、それはただの手段であって、逃げてきて帰る家もないのは事実よ」





全裸で少し肌寒くなってきた百合は、紫藤の胸元に体をすり寄せた。





「ホテルかどっか見つけりゃいいだろ」


「それもさっき1階で言ったじゃない。お金も残り僅かなのよ。ここへ来るまでのタクシー代でギリギリだったの」


「……」





これは、まさか……。


先程とは売って変わって思案顔をする紫藤に百合は更に続けた。





「それとね……私、最近ストーカー被害に遭ってて……」


「は?」 





残念ながら、これも事実だった。

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