第21話
「いい加減にしろよ?相手してやっただろうが。あんたとは今夜限りだ」
「んんぅーッ!……もう手邪魔よ!」
「あんたの方が邪魔だ。退け」
「ねえ、お家行きたい」
「あんたの家まで送ってやるから、服を着ろ」
「だって家は……」
家が無いと言いかけて飲み込む。
だって、わざわざ送ってくれるの?
そんな律儀な彼に百合は思わず吹き出してしまった。紫藤の肩に頭を預け、クスクスと笑い続けていると、頭上から怪訝そうな声がした。
「あんた何かキメてんじゃねーだろうな。終始言動がおかしいぞ」
百合の肩を再び力を加減しながら引き離そうとする紫藤に、百合はもう我慢の限界だった。
「あなたって——」
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