第4話

どのくらい時間が経過したかは分からないが、風と雨の音が増したのは分かった。


外の様子を見てようと、一旦タオルを置いて靴を履いた私は扉に手を掛けようとした。すると、外から微かに陸斗さんの声が聞こえたような気がした。


帰ってきた!!






私は急いで家に上がると、再びタオルを持って皆を出迎える準備をした。


タオルを抱きしめながら扉をジーっと見つめていると、少し乱暴に扉が開かれた。






「さみぃ~!!……って、なんでお前こんなとこに居んだよ?」






陸斗さんは驚いた顔をしながら私を見つめた。いつもツンツンとしている銀髪は濡れて力なく水を滴らせている。






「皆、濡れてしまってると思ってタオルを準備して待ってたんです!!」


「おー!!気が利くじゃねぇか!!」






そう言った陸斗さんが私に近づいてくると、背後に居た凛さんと、達輝さんと、雅久さんが続けて中に入ってきた。






「風邪引いちゃいますから、取り敢えずタオルで拭いてください!!」






タオルを陸斗さんから順番に渡していった。

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