第3話
どうしよう……。
雅久さん達、傘持っていってないよ……。
天気予報の確認をし忘れた自分に腹が立った。
しかし、以前雨が降るから傘を持っていってほしいと言っても邪魔だからいらないと皆に断られてしまうのだからどうしようもない。
濡れた雅久さんや皆を思い浮かべ、居ても立ってもいられなくなった私は洗面所に向かい沢山のバスタオルを抱えながら玄関に向かった。
落ち着かない私はうろうろしながら雅久さん達の帰りを待つ。
決して雨が嫌いなわけではない。ただ、心配している相手が居ないことがとても不安で仕方ないのだ。
心の痛みに独り、取り残されているような気分になった私は床に座りタオルを抱きしめながら顔を埋める。
お願い。
早く帰ってきて。
冷たくなった雅久さんを私が温めてあげたいと思った。
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