第56話

類さんは、黙々とお酒?を飲みながら「類だ」と言うとすぐに目線を逸らしてしまい、男の子の歩夢くんは何も言わずそっぽを向いてしまった。






「ギャハハっ!!どんまいどんまい!こいつら人見知りなんだよ。あ、類はいつもこんな感じか?……でもこのガキは俺らにしか心開かねぇんだよ。な?歩夢!!」






そう言って歩夢くんの頭を大きな手で撫で回すと、






「陸都、うざい」






歩夢くんは不機嫌そうに、その手を払った。






「なんだと、このガキが!お前この間、お化けがいた~とか言って泣きついてきたくせによ」


「……っ、なんでその事言うんだよ!!」


「ギャハハっ!!大人をバカにするからだ」






陸都さんも子供みたい……。






「椿、あんた服似合ってるじゃない。他にも着ない服、腐る程あるから明日全部あげるわ」


「え?本当ですか?嬉しい!ありがとうございます!!あっ、そう言えば下着まで用意して頂いて、ありがとうございました!」


「いいえ~。下着はサイズとかあるし、明日にでも雅久と買ってきたら?ね?」






凛さんが雅久さんに目線をやると、






「そうだな。……俺が椿に似合うの選んであげるよ」


「え……いや、恥ずかしいので自分で選んでもいいですか……?」


「だめ。椿は……赤か白ってとこだな。よし、明日買いに行いこうね?」


「……は、はい」


「顔赤くしちゃって、うぶね~」

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