第48話

どうしよう、挨拶し忘れちゃった。


失礼だよね、こんな態度……。






「へぇ……雅久の物、ね。……面白ぇ。おい、女いつまで隠れてんだよ。酒飲むぞ酒!!」


「えっ?あの私、お酒は」






銀髪の人は薄っすらと口元に笑みを浮かべた後、私に近づき腕を引っ張る。その衝撃で体がぐらついてしまっていると、男の人とは逆の向きに引き寄せられ覆い隠すように抱き締められた。






「やめろ、陸都。ごめんね、椿……こいつの事は無視していいいよ」


「あ?なんだとコラ?」


「あらやだ、二人共びしょ濡れじゃない!雨に当たったのね!とりあえず先にお風呂入ってきちゃったら?」


「あー、そうだな。椿、俺と一緒に入る?」


「え?いや、そ、それは恥ずかしいので……」


「……ふっ。冗談冗談。……可愛いだろ?」


「そうね。私のペットにしてやるわ」


「俺のだって言ってんだろうが」






「おい、お前ら無視してんじゃねえよ」






陸斗さんがこちらに睨みを効かせていたが無視をされ、ついにいじけてお酒を飲みに行ってしまった。

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