第45話

「あっ、待って下さい。私もきちんとお礼させてください」


「早くしな。風邪引く」






「はい!」と返事をして鳥さんに近づいた。






「鳥さん、本当にありがとうございました。私なんかがこんなに綺麗な羽の上に乗ってしまって本当にごめんなさい」






鳥さんは私の顔に自分の顔を寄せると再び傷つけないように優しく頬擦りをしてきた。


ふふっ、可愛い。






その愛々しい動作に心を許してくれているのかと思うと嬉しさで一杯になり、鳥さんの頬の辺りを優しく撫でた。






本当に言葉が通じてるのかな?






「青い羽、凄く綺麗ですね。……もしまた会えたら触れてもいいですか?」






不思議。


鳥さんが微笑んだような気がした……。






「ほら、もういいでしょ。行くよ」


「あっ、はい!!また会いましょうね!鳥さんありがとうございました!」






すると、鳥さんは大きな羽を広げ闇夜へと羽ばたいていった。






「可愛いですね、あの鳥さん」


「そう?椿の方が可愛いよ」


「え、いや、そんな事は……」


「ふっ……ほら行くよ」


「は、はい!」






森の茂みを少し歩いてゆくとそこにはお城のような外観の大豪邸が構えられていた。

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