家族
第43話
大きな青い翼を羽ばたかせ闇夜へと飛翔するなんとも異次元な光景を前にして高揚感に包まれる。
輝き続ける街の上を優雅に舞うその姿はとても神々しくて私なんかが乗じている事にふわふわした居心地とは裏腹に居たたまれない気持ちになった。
すると突然、風が強く吹き当り体がぐらつく。
落ちる!と思った瞬間、雅久さんが私の肩に腕を回し自分の方へと引き寄せてくれた。
「落ちちゃうよ。俺に掴まってて」
「はい、ありがとうございます」
「椿、寒いでしょ?これ来てな。そんなに遠くもないから後2、3分で着くけど」
そう言うと、雅久さんは黒いロングコートを脱ぎ始めた。
「え?いや、だ、大丈夫です!!着てください」
「いいから」
「嫌です!!雅久さん、こんなに手が冷たくなってるんですから」
雅久さんの手を両手で温めるように包む。
「私は全然寒くないので大丈夫ですけど、雅久さんが冷たくなってしまうのは辛いです」
「椿の方が冷たいってのに、お馬鹿さんだね。……じゃあ、こうしよう」
雅久さんの足の間に向かい合うように座らされるとお互いの体温を混えるように体を密着させる。
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