第41話

ん……?


ふと顔に冷たい液体がかかり空を見上げるとポツポツと雨が降りだし始めており、いつの間にかお月様は隠れどんよりとした空模様に変わっていた。






「降ってきちゃった。急ぐよ」






再びお姫様抱っこをされ、更に色濃く輝く街へと足を踏み出す。


自分で歩かない事に抵抗感を抱いてしまうけれど、歩く方が迷惑をかける気がするため大人しく身を委ねる。






「あの、無理しないでくださいね?」


「大丈夫だよ」






うぅ~早い……でも慣れないと!!






そう思った矢先、目の前にとても大きな鳥が現れた。






「え、鳥!?」


「おー、ラッキー。乗ってくよ椿。乗れたらだけど……」


「乗る?何言ってるんですか?危ないですよ!」


「大丈夫だよ。比較的大人しい生物で攻撃的な鳥じゃい。人間の言葉も少しは理解しているみたいだし。でも、好き嫌いが激しい。俺は一度しか乗った事がないんだよ」






そんな鳥いるの?!


3メートル以上あるであろう大きな体に青い翼。その迫力に気圧され思わず雅久さんにしがみついてしまう。

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