第21話

彼の首に両腕を回したまま、私はもっと甘えたい衝動に駆られてしまった。生まれたての赤ちゃんのように自分の意志など関係なく声を上げ泣き始める。






「……っ。ずっと、死人のように生きてた、の……。叫んでも叫んでも私の声は誰にも、とど、かなくて……ひっく……っ。愛されているふりをして偽物の笑顔をふり撒いている自分がすごく嫌い、で……」


「……ん」


「……もう、終わりたかった。こんな世界から消え、たかった……っ。でも死ね、なかった……。やっと、やっと全てから……自分から解放されると思ったのに……ひっく、……っ」






ふと、私の目元を撫でる手が止まった。

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