出会い

死生命あり

苦いものを思いだしていた。とてもいい思い出でとは言えないけれど、私が思い浮かべられるのはこの記憶しかないから……。

この世に生を享け死を与えられる。

物語の過程は自分次第だなんて勝手すぎるよ。

私の物語はずっとバットエンドだったみたいだけど……。

もうお月様も見えないくらい深く深く体が沈んで、真っ暗闇の中に独りぼっちだった。

最後まで私は独り。何が苦しいのかさえもう分からない。

だから考えるのはもう止めよう……。

海底で流す涙は優しい黒と入り混じる。

身を水中に委ねたその時ーー

ぷつんと私の物語は幕を下ろした。

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