冒険者になる魔王
第1話
私の名前はヘルシャ。
魔王、
それはもう、とてもとてもブラックで、それを抜きにしても堅苦しくて、私には合わない職場だった。
今日、魔王城から抜け出して来た!
はー、ようやくあの地獄から抜け出すことができたよ。
あそこは無理、もう戻りたくない。
まあそんな事は出来ないと思うけど。
だってさ、魔王って凄い仕事量なんだよ?
まあ魔王城内の総仕事量には届かないとは思うんだけど、総仕事量の内32分の1くらいを1人でこなしているんだ。
こう言うと少なく感じるかもしれないけど、魔王城勤務の公務員って1000人いるんだよ?
その中で32分の1ってかなり多い仕事量なんじゃないかな?
魔法で無理やり毎日徹夜、休日無し、食事はカロリーメイ○と栄養ドリンクだけ。
休憩しようにも私の仕事ってこなさないと下の人達に影響が出るものが多いから休めないんだよね〜
視察とかも合間には仕事漬け。これだけ頑張ってるのに国民の魔王に対する印象は『吸いとった税金で贅沢極めたクソ野郎』
あー嫌だ嫌だ。
私が使ってるお金ってエナドリ、カロリー○イト、紙、ペン、インクとかだけだよ?
贅沢なんてしてる暇ないんだから。
職場体験して行きなよ、キツイよ。
職場体験なんてことは出来ないんだけど。
まあ、この自由になった時間を何に使うか考えよう。
多分また拘束されるからな〜
拘束されている間に国について考えればいいよね。
まず、この間、どうやって食い扶持を稼ぐか。
色々と知っていることが多い職業に就きたいね。
もちろん特に人族の仕事で知っているものはない。
でも、魔族の被害が伝わって来てるし、魔族を倒してる『冒険者』って職業に就いてみようかな。
その仕事自体を知ってるって訳じゃないけど少しは分かるからね。
まあ詳しく調べたほうがいいかな?
「というわけでユニークスキル『魔王は何でも知っている』発動!」
まあこんな掛け声は必要ないんだけどね。盛り上げるためだよ。
『魔王ヘルシャの知りたいことは冒険者について
冒険者の情報収集中…完了
スキルボードに表示します』
===============
冒険者
・ランクには上からS・A・B・C・D・E・F・G
S…世界に10人程しかいない。国王をも頭を下げる
A…化け物レベル。世界でも有名。
B…吟遊詩人が歌うレベル。
C…その国の人なら知らない人はいない。
D…中堅。パーティリーダーもやる。
E…胸を張って冒険者と言っていい。魔物討伐依頼が多くなって来る。
F…一応冒険者。
G…仮免扱い。
基本的に同じランクの魔物をパーティで倒せるか一つ低いランクの魔物をソロで倒せるかでランクが決まっている
・冒険者になるためには冒険者ギルドへ行って登録する必要がある
・登録には試験があり、試験で好成績を残すと最高でEランクから始めることができる
・冒険者の仕事には主に2つあり、『討伐』『採取』がある
・討伐は主に魔物、魔族を倒す
・採取は薬草採取をする
今必要な事はこの程度だと判断します。
===============
おー早いね。さっすが魔王専用スキル!
あんま使わないから凄さを理解していなかったよ…
まあこんな感じなのか。
とりあえず冒険者ギルドを目指すか〜
⬛︎ ⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎
はぁ、はぁ…
全然抜けられないよ…
というか私、周りの地形とか特にわからないし!
地図も持たずにがむしゃらに歩いていれば街に着くと思っていた私がバカだった…
「またまた『魔王は何でも知っている』発動!」
===============
魔王ヘルシャの知りたい事は世界の地形
地図を生成します…成功
スキルボードに表示します
===============
おおーやっぱり早い。さっすが魔王専用スキル!(2回目)
冒険者ギルドは…ここだね。
三度『魔王は何でも知っている』発動!
流石にもう言葉を発しはしない…
盛り上げる気力がないからね!
===============
魔王ヘルシャのしたい事は目標までの道のりを可視化
道のりを可視化…成功
表示します
…それはそうとして使いすぎでは?
自分で努力もしましょう。
===============
あれ人格持ち始めた?
いや元々持ってたのかなぁ。魔王専用スキル、わからないことが多いね。
それはそうとして道のりらしき場所が光ってるね。
わかりやすい!さっすが魔王専用スキル!(3回目)
というわけで辿って行ってみよう!
⬛︎ ⬜︎ ⬛︎
「着いたー!」
街にようやく着きました!
明け方に抜け出して来たのにもう夕日が見えてる…
まあそれはそうとしてすぐに冒険者ギルドに登録しようかな?
それとも一泊してから登録?
とりあえずどちらだとしても街に入らなきゃね。
この列かな?
街に入るにはしばらくかかりそうだね。
⬛︎ ⬜︎ ⬛︎
ようやくあと少しになったね。
10分くらいかかったよ。
あ、私の順番来た。
「お嬢ちゃん、通行許可証かギルドカードは持ってる?」
え…何それ?私持ってないよ?
あと私の見た目ってお嬢ちゃんで通るんだね。
言いたくないけど私、3000年以上生きてるんだよ…
「あの…私持っていないのですが…」
「持ってないの?じゃあ…うーん、普通は小銀貨1枚で仮通行証を発行するんだけど…持ってる?」
あ、私お金の存在も忘れてた。
もちろん持ってないよ。人族に関わってないし。
「ごめんなさい…持ってないです…」
「えーーっと、本当にどうしよう…」
2人でうんうん唸っていたりしていたんだけど、どうしても打開策が浮かばない…
「どうした?」
衛兵さんの後ろから黒髪の男性が来た。
「兵長!えっとですね、こちらの白銀の髪のお嬢さんが通行許可証とギルドカードを持っていなくてですね、その上で小銀貨1枚を持っていないんです。どうすればいいですか?」
「そうだな…とりあえず
そう言って黒髪の男性…えっと、兵長さんは後ろの砦?に入っていった。
よかったぁ、私の
「ふー、よかったですね、お嬢さん。あ、お金を渡してくれる時はここ、西門に来てください。コリア兵長に借りたお金を返しに来た、と言ってくだされば通しますよ」
「わかりました」
優しいね、兵長さん。気がきくね、門番さん。
この国は優しいに溢れてるのかな。
そうじゃなきゃストレスが溜まるこの仕事でラスト1人の時にこんな対応できないもん。
魔王国もこの所見習いたいね……って違う!私は今休暇中!休暇の時に仕事のことなんて考えない!
それはそうとして、小銀貨1枚ってどれくらいの価値があるんだろう。宿に泊まる時も必要だろうし、魔王は何でも知っているで調べたいな。
でも門番さんがいるし…どうしよう?
私が数秒で出した答えは…!
「ちょっと壁側を向いていてくれませんか?」
「えっなんd」
「向いていてください」
ストレートのゴリ押し!
ストレートに言葉をぶつけてゴリ押す!
「理由を教えてくれないとお嬢ちゃんの言うことであっても聞けないよ?」
くっ、ゴリ押しにも限界があったか…
理由考えてない!だからここもさっきと一緒で…
「私、ユニークスキルを持っていて、見られると困るスキルなんです。なので向こう向いてください」
ストレートに言葉をぶつける!
でも通るとは思ってない!
この作戦(?)が失敗したら泣きそうな感じの演技しようかな。
どんな手段を使ってでも
「そうだったんだ、お嬢ちゃんはユニークスキル持ちだったんだね…大変なことがあっただろう。出来ることならばこの辺境の地で心の傷を治す手助けをさせて欲しい。もちろんそのスキルを見ないよ」
え、通るのこの理由。
通らないこと覚悟してたのに…
そっか、通るんだね。
そうなんだね…
この国大丈夫?こんな理由でも人を見ないことに対して何も思わないんでしょ?
この門番さん、間違えて罪人とか通さない?
後なんか変な反応されて困る。
「ありがとうございます」
じゃあ『魔王は何でも知っている』発動!
『またですか?最近まで使われてなかったのにたくさん使われると神力持たないんですが…』
座ってやる仕事ばかりやっていたら査察の時に体力が保たなかったみたいな感じなのかな?
『それはさておき、
魔王ヘルシャが知りたいことは人族の通貨
情報収集中…完了
スキルボードに表示します』
===============
人族の通貨
・世界共通
・下から順に小銅貨、銅貨、小銀貨、銀貨、小金貨、金貨、白金貨がある
・魔王国換算
小銅貨=1リペ
銅貨 =10リペ
小銀貨=50リペ
銀貨 =100リペ
小金貨=500リペ
金貨 =1000リペ
白金貨=5000リペ
(作者情報 ※ヘルシャには見えないよ
1リペ=1円のイメージです。
ほら、全部1円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉、1000円札、5000円札ってあるでしょ?
10000円札は○貨が思いつかなかった!思いついたら増えます)
===============
なるほど〜
魔王国換算してくれてありがたい!
ありがとう『魔王は何でも知っている』!
猫被らなくなったね『魔王は何でも知っている』!
『一言余計』
そうですか…
って何ナチュラルに会話に参加してるのさ『魔王は何でも知っている』!
『なんとなく話したかったから話した。メッセージは他の人には見えないから安心して』
口調も猫被らなくなったね、『魔王はなんでも知っている』…
『それはそうとして、『魔王は何でも知ってる』だと長いから名前つけて』
…ピコン!
理由をつけて甘えたかったのね。
『違う。黙って『マインド・サイレンス』』
何その高等技術。確かそれ闇魔法Lv80で取得できるやつだよね?念話の妨害に使うやつ。
それを魔法名変えてその上で詠唱破棄するって…
後それ私には効かないから。状態異常無効持ってるからね。
『何でそんな高等魔法を…』
状態異常無効のこと?
回復ポーションを飲みまくってたらポーション中毒陥ってね…
それで中毒耐性、その後無効を手に入れたんだよね。
その後この立場だから毒とか盛られてね、いろんな毒を受けたんだ。
それで毒系の無効スキル全部身につけて統合されたんだよね。
『それはそうとして、名前で呼んで。名前は何でも良いから』
わかった、よろしくね、エリス!
『ッ!…わかった。ありがとう』
なんか動揺した?気のせいかな?
それはそうとして、人族の中でのユニークスキルの立ち位置調べて〜
『めんどくs…わかった』
何か言おうとしてなかった?
『何でもない。調べるからちょっと黙って』
りょーかい!
『魔王ヘルシャの知りたい事は人族内のユニークスキルの立ち位置
情報収集中…完了
スキルボードに表示します』
===============
ユニークスキル
・平民にしか生まれず、10年に1度程の間隔で生まれる
・貴族に見つかると隷属され、一生こき使われる
・平民はユニークスキル持ちに対して基本的に友好的
・貴族内ではユニークスキル持ち奴隷を持っているかどうかでも格差がつく
・ユニークスキル持ちは貴族に捕まらないため、家を持たずに転々とすることが多い
===============
へぇ〜
ユニークスキル持ちって大変なんだね。
『それはヘルシャも同じ』
どゆこと?私一応魔王だし手を出されることはないと思うけど…
『ヘルシャは人間として生活する予定。つまり貴族から狙われる』
なるほどね〜
あんまりユニークスキル持ちってことは言わない方が良さそう。
『そう。だから門番にユニークスキル持ちって言ったけど、もし貴族側の平民だったら危ない』
はッ!そうだ、言わない方が良かったのか!
魔族内ではユニークスキル持ちって普通にいるからひけらかすモノではないけど必要なら普通に明かすものっていうスタンスだったからね。
『それはそうとして後1秒後に門番が振り返って3秒後に兵長が来る。急いで』
それもうちょっと早く言って欲しかった!
スキルボード消去!スキル終了!
「お嬢ちゃんスキルは使い終わった?」
本当に振り返ってきた!
思わず従っちゃったけど、エリスって未来予知できるの?!
『できる』
「え!あ、えっと、使い終わりました」
「驚かしちゃった?ごめんね」
『ヘルシャ、反応しないで』
驚くに決まってるでしょ!
だって、『魔王は何でも知っている』終わらせたじゃん!
何でエリスは話せてるの?
『ヘルシャが終了させたのはアクティブスキルの『魔王は何でも知っている』。
私はパッシブスキルの『魔王は何でも知っている』。
わかった?』
わかったけど…『魔王は何でも知っている』って未知の事が多いね。
『当たり前。このスキルを発現させた魔王はヘルシャと初代魔王カナシャだけ』
え、そうだったの⁈
関係ないけど初代魔王と私の名前って似てる気がs
『それは今は良いから!
兵長来る!』
「お嬢ちゃん、契約書持ってきたぞ!」
兵長さんが来たね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんにちは!
作者の白雪氷華です!
初めてなので切り方がわからなかったので中途半端に切れているかもしれません…
初めてなのでキャラクターが定まってなかったりするかもしれません…
初めてなので改行をあまり使えずぎゅうぎゅうになっているかもしれません…
って「初めてなので」を言い訳に使いすぎやろ!
見切り発車のこの作品、読み続けてくれると嬉しいです!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんにちは!
後の白雪氷華です!
試しに「」の前後は改行入れてみました!
エリスのセリフの方も改行入れたほうがいいかな?
改行が多すぎるかな?
他にも改行を入れたほうがいい場所もあるかな?
と色々と試行錯誤中なのでコメントで教えてくれると嬉しいです!
以上、白雪氷華でした〜
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