砂かけばばあ

スナカケババ――奈良県では処々でいふ。御社おやしろの淋しい森の蔭などを通ると砂をばらばらと振掛けて人をおどかす。姿を見た人は無いといふ(大和昔譚)のに婆といつて居る。 (柳田國男「妖怪名彙」より)



 七瀬さんの故郷には「鎮守の木に登る」という言い回しがあった。


「〇〇さんも鎮守の木に登ったかぁ」「わしもそろそろ木に登る歳だから」――などのように使い、要するに人が亡くなること、とりわけ年寄りが物故するという意味の隠語であった。

 神社の裏手に鎮守の森があった。もっさりと木々をたくわえそのまま山に接するこの森に「鎮守の木」という言葉は由来していた。ほとんどの家は仏葬を選んでいたが、それ以前の、古い信仰の名残なのだろう。七瀬さんは漠然とそう捉えていた。



【その1 有馬の婆】

 場所は関西の某県。頃は七瀬さんの少年時代だ。昭和10年代、既に日中戦争が深まり、日米開戦の直前だったという。

 後述の記憶を探る際――いつも最初に浮ぶのは、隣家から聞こえる唄だ。


「をちかた遥かィ もろこしノォ でェらい鳥の オガルんはァ オガルんはァ」


 ――大陸から大きな鳥が飛んできて、雨を降らす。大体こんな内容の唄だった。


 隣家には有馬のばばと呼ばれる老人が独りで住んでいた。有馬家というのはかつては地域の有力者だったそうだが、今は見る影もない。婆の息子夫婦と孫は10年ほど前の災害でいっぺんに亡くなったから、家系自体が途絶えようとしていた。


 だが、「世が世なら、うちも大尽じゃ」云々、婆は何かと言えばそんな愚痴を吐いていた。地域の集まりや決め事の場にはよく出て来たが、性格が鋭いのとそうした口癖のせいで、うっすらと遠ざけられていた。


 七瀬さんが小さい頃、有馬の庭の木に登ろうとして婆を激怒させたことがある。たちまち、じゃりじゃりしたものが顔に投げつけられた。

 塩だった。口に広がるしょっぱさと、肌を伝う触感に泣き出しそうになり、泣き出しそうになった悔しさに悪態をつくと、婆は長い髪を振り乱しながら言うのだった。

「世が世なら、おまえらオレにそんな口は聞けんぞ!」


 ところが3~4年経つと、婆はおとなしくなった。どうも、都会に出た分家筋の者に、残ったわずかな財産を騙し取られたらしい。

「後ろ足で砂ァかけられたわ」

 憤って見せたが、それ以降は明らかに心身が衰えた。内向的になって、集まりにも顔を見せなくなった。


 おそろしさが消えた代わり、子供たちにとって少し不気味な存在になった。

 婆はまじないに凝り始めた。軒先に奇妙な紙細工が吊るされていたり、家の周りに液体がまかれ酢のような異臭を放っていたりした。


 外出しなくなった婆だが、縁側で歌っている姿は、表の道からよく見られた。先述の唄は、そんな時に聞こえてきた。唄声だけは朗々として、若き日の美声を偲ばせる。しかし。

 歌いながら手を動かす様子が、七瀬さんの目には気味悪く映った。手すさびなのか運動なのか、これもまじないの一種なのか。くうをつかんでは離し、つかんでは離す、そんな動作を繰り返していた。


 瘦せ細った指が、ぎゅっと握り込まれては、ぱっと離される。また握り込まれ、離される。ぎゅっ、ぱっ、ぎゅっ、ぱっ――独りで数拳ジャンケンをしているようにも見えた。


「をちかた遥かィ もろこしノォ」


 そんな様子を七瀬さんが遠巻きに眺めていると、ぼんやりと見つめ返された。伸びた眉の底に表情はうかがえなくて、睨みつけられるよりも心がざわついた。そんなときも、彼女の手は一定の調子で、握り、開かれしていた。


 恨み節も増えたようだった。人付き合いはほとんどないのだが、それでもたまに縁のある者が訪ねると、必ずが出るようだった。

 残った歯を鳴らしながら、息子が生きておれば、孫が生きておれば、世が世なら……どれも詮ない繰り言なのだが。


「世が世なら、オレも鎮守の木に登るところや」


 その言葉は、七瀬さんに奇妙な印象を残した。地域の年寄りたちの使い方とは、どこか微妙なところで異なっているように思えた。

 母の用事に付き添って有馬の家を訪問した時、どういう流れであったか、婆は七瀬さんの顔を見据えながら、この文句を発した。同時に吐きつけられた口臭の、内臓そのもののような臭気、長い白髪頭のガサガサ鳴るような乱れも、忘れられない。


 そしての春、有馬の婆は病みついた。転んで腰をしたたか打ち、寝込んでいる間に熱病にかかり、さらに動けなくなった。

 有馬家の遠縁の者や、累代の恩がある家の者たちが交替で看病にあたったものの、いっこう良くならなかった。縁側に出ることもなくなって、婆の楽しみは新聞の読み聞かせ、戦争の成り行きを知ることくらいになった。戦勝の報にあげる歓喜ももはや、か細くなった。



【その2 鎮守の森】

 その年、夏を前に七瀬さんは川泳ぎに勤しんでいた。学校で始まる水練(水泳の授業)に備えていたのだ。前年の競泳で、僅差で級友に敗れたことを悔やんでいた。

(今年こそ一番にならんければ……)

 国家の非常時である。強い体をつくって、自分こそ少国民の模範とならなければ――そんな思いがあった。


 川をさかのぼると山の麓に達する。山には天狗や山姥、アマンジャクなどの伝説があって、七瀬さんも幼少時によく聞かされたものだった。

 天狗の神隠しにあった者がいる、だとか。

 山姥が洗濯すると雨風になる、だとか。

 アマンジャクのせいで道に迷う、だとか。

 だから、お山にはみだりに入るもんじゃない――銃後を担う愛国少年はもはや、そんな迷信を気にもしていなかった。けれども大人たちが入るのを戒める場所に、あえて近寄ろうとも思わない。


 七瀬さんはいつも、山の手前で引き返すか、岸に上がることにしていた。東の岸は隣の集落に通じ、西側に上がれば、そこが鎮守の森だった。

 鎮守の森は聖所ではあったが、別段、出入りが禁じられるでもなく、明るい内はそこで遊ぶ子供もあった。七瀬さんも時にはそこで休息したり、虫を探したりした。

 巨木が多く、昼も薄暗い。それだけに夏場は涼をとるのに最適だ。危険な動物もいない。地域の人々が死を思う時、この親わしいな森を選んだのは無理ないことだ――と、これも漠然とではあるが、七瀬少年は感じていた。


 さて、秘密特訓を始めた七瀬さんだったが、すぐに梅雨に入って、悪天候が続いてしまった。荒れた川に入るのも親にとがめられ、水面の様子をうかがっては焦りをつのらせていた。

 そんな中、やっと快晴が訪れた。前夜から雲が消えたのか、川の流れも穏やかであった。朝方それを確認した七瀬さんは、今日こそ遅れを取り戻すのだと息巻いた。

 

 だが――その日は何か、あたりが騒がしいようだった。両親も昼前に人に呼ばれて出て行った。出て行く前に父が「手伝いを頼むかも知れないから、なるべく家にいろ」と言っていたのだが……七瀬さんは早々に昼飯の芋をかじると、そわそわと表に出て、水練のことを考え出した。


 すると、家の前をふらふらと歩く少年が目に入った。級友の1人だった。

 七瀬さんを認めると級友は頬を緩めたが、明らかに様子がおかしい。真っ青な顔をして、微笑みもどこか強張って見えた。髪はしっとりと濡れていて、水を浴びたのは確かだ。


「さっき川へ行ったんやけどな」

 森のそばで泳いでいたら、恐ろしい声が聞こえた――目を潤ませながら、級友はそんなことを言った。

「聞いたことない声やった。あれは山姥かも知らん。俺は慌てて引き返してきたんや」


 何が山姥か、男子たるもの情けない。七瀬さんは内心、彼を嘲ったが、同時に焦りも覚えた。というのは、この級友こそ、前年の競泳で彼を破った少年だからだ。自分が鍛錬していたように、こいつも備えていたのだ。そう思うと、一刻も早く川に行きたい気持ちになった。引き止める級友を無視して、七瀬さんは川へ飛び込んだ。


 飛び込んでみると、苛立った頭が冷たさに醒めた。

 川はさほど濁ってもおらず、七瀬さんはずんずんと泳いだ。山側に、つまり鎮守の森の方向へさかのぼった。

 やがて、山の手前に行き着いた。このまま踵を返して川を下ってもいいし、一度上陸して休憩しても良いが――


 そこで、音が聞こえたという。

 鎮守の森の方から、文字にすれば「ヒイーッ」というような、叫び声と思しき音、それが幾つも、幾つも聞こえた。

 人のような、獣のような、それは確かにこれまで一度も耳にしたことがないものだった。断続的に、何度も――級友の言うように、まるで山姥か、それとも地獄の亡者やら――


 だが、七瀬さんは西側の岸に上がった。全身の水滴を払い、ふんどしひとつの姿ではあったが、森に向かって行った。彼が愛読する冒険小説は、いずれも世界に怪力乱神はないと教えている。迷妄に惑わされるようでは日本男児の名折れであると、その声の正体を突き止めるつもりになった。


 よせばよかったと、すぐに思うことになる。



【その3 砂かけ】

 上天は快晴なのに、森はいつもよりも一段、暗く見えた。裸足の裏が草を踏みしめると、雨の名残か、自分が濡れているのか、湿った感触が怖気おぞけを呼んだ。

 樹木と腐れた土の匂い。そしてほんのかすかにだが、古びた家の中のような、ほこりっぽい匂いがあった。


 歩を進めるごと、叫び声は大きく、多くなる。

 屠殺とさつされることを察した豚が上げる、あの甲高い声を、野太く、長く引き延ばせば、こんな声にもなるだろうか。音は明らかに、頭上から降って来る。上だ。木の上にいるのだ。そう思った時。


 ぱらっ。

 何かが肩にかかった。ごくわずかだが、ちくりとした感触で、七瀬さんは足を止めた。闇に慣れた目に、ひときわ太いかしの大樹が映った。


 ばらっ。ばら。

 今度は首筋に触るものがあった。慌ててこすってみると、ざらりと、手に付着した。砂だ。


 暗い木立の中に、砂が降っている。気づけば視界の端々に、宙を舞う砂粒が見える。わずかな木漏れ日を受けて、ところどころで白い光を放ちながら、ばらっ、ばらっ、さら、さら。時には、ぼとっ、ぼとり。

 ひとつまみほどの粒子で、あるいはひと掴みの固まりで、あちこちに砂が落ちていく。


 これだけの砂が降る光景を七瀬さんは初めて見た。雨の侘しさや爽やかさ、雪の麗しさや孤独感とも違う、何か絶望的な感じがした。生命感の無さ。既に終わってしまったものの名残。「もう、愉快なもの、美しいもの、真実なものは何も残っていないんだよ」と突きつけて来るような、終末の印象。

 ――砂が降る様というのは、こんなに恐ろしいものなのかと思った。


 呼吸するように、つまり何か調子を刻むように、次々と砂が降る。肩に、腕に、背中に、頭に、裸体の七瀬さんの全身を、砂が襲った。

 空から? いや、これも木の上からなのか。

 樹上にいるものが、砂を降らせているのか。


「でェらい鳥の、オガルんは」

 有馬の婆の唄が、急に思い起こされた。そこでハッとした。

 鳥だ。あれは巨大な鳥だ。

 そんな発想に弾かれて、七瀬さんは首を大きく逸らして、木の上を見上げた。


 空はほとんど樹冠で覆われていたが、その合間を動く影が見える。地面から仰いでも、その影の大きさはわかった。

 タカよりもひと回り以上、大きく見える。大きな鳥が何羽も何羽も、木の上に集まっておがって(叫んで)いるのだ。


 鳥の翼? 鳥の羽毛から、砂が降って来ている?


 なるほど、あの大きな鳥の体には、それなりの砂が付着していてもおかしくない。だが、それにしても多すぎる。また砂の落ちる間隔は、妙に機械的というか、人為的な調子を持っているではないか――


 見定めようとする彼の目を、砂が直撃した。

 しまった。後悔と混乱で、七瀬さんはわめいた。よろめき倒れそうになったが、咄嗟に手を伸ばし、木を支えにした。

 涙があふれ出すが眼中の砂は流れない。前が見えない。砂粒は鼻の中、口の中にも入り込んだ。咳き込み動けずにいる彼の肩を、大量の砂が打った。こんな量の砂が、鳥の羽毛から落ちるものだろうか。

 頭をかすめた砂が頬を伝い、じゃりじゃりとした感覚が、ふいに幼い頃の記憶を呼び覚ます。顔に受けた塩の触感だ。有馬の婆にぶつけられた――


 老婆の姿が脳裏をちらついた。ぱらっ、ばらっ、さらっ、ぼとっ――砂の音を聞きながら、七瀬さんは一気に思い至った。

 砂が落ちる、いや落とされる間隔に覚えがあった。

 ぎゅっ、ぱっ、ぎゅっ、ぱっ。有馬の婆が縁側で繰り返していた手の動き。握っては開き、握っては開く。あの調子と同じではないか。


 有馬の婆だ。

 有馬の婆がいる!


 ――あり得ないことだが、七瀬さんはそう直感した。木の上には鳥だけじゃない。有馬の婆がいる。

 樫の樹上、枝の又に、老婆が座り込んでいる。老婆は砂をぎゅっと握り込み、ぱっと離す。また握り上げては、ぱっと放つ。ずっと練習してきたかのように。一定の調子で――そんな図が、彼の頭に浮かんだという。


 視界はなおも塞がれたまま、踏み出した爪先は、積もった砂山に呑まれたらしい。つんのめり、手が、次いで顔面が、ガサつく何かに突っ込んだ。

 指に、額に、耳まわりに、その何かが絡まる。きしむ糸状のもの。松葉か。蜘蛛の巣か。いや、これは髪の毛だ。ガサガサに乱れた長髪だ。それだけでない、その髪からか、あるいは周囲の木々からか、動物的な臭気がした。内臓そのもののような、あの匂い。婆の口から吹きかけられた、あの。


 婆がいる。木の上どころじゃない。今、目の前に立っている。

 七瀬さんは首と腕をめちゃくちゃに振り回した。


 鳥たちの絶叫が聞こえる。

 砂が草木をかすめる音。地面に重く落ちる音。それだけでない。何か大きく硬い、固形物が着地したような鈍い音。水気を含んだ物が弾ける音。砂の上を引きずるような音は、自分の足がたてるのか、自分の背後から聞こえるのか。


 ここで、ようやく目蓋が持ち上がった。涙に覆われた視界の先に、ひときわ明るい場所がある。七瀬さんはそこへ向かって突進した。木の枝や草葉が肌を切り裂いたが、構っていられなかった。


 視界が白くなった。匂いと、足の裏の感触も変わった。七瀬さんは神社の砂利を踏みしめていた。

 そのまま振り返らず、境内を突っ切った。鳥居の下まで来て、全身に付着した砂を払おうと手を持ち上げて、またぎょっとした。

 彼の右手には、砂の塊が強く握り込まれていた。慌てて指を広げると、砂はさらさらとこぼれ、微風に舞い散った。



【その4 山姥】

 鳥居をくぐり息を整えていると、少し先に、村の男が歩いているのを見つけた。近所の酒屋の店員だった。見知った顔に安堵を覚え、七瀬さんは駆け寄った。

 30がらみの酒屋の男は、褌ひとつで砂まみれになった少年を見て目を丸くした。どうかしたのか、、尋ねられて七瀬さんは森での体験を話した。後から思い返すとかなり取り留めなくまくし立てたのだが、男は何か神妙な顔でそれを聞いていた。聞き終えて、男は真っ直ぐに七瀬さんを見つめながら言った。


「それはお前、山姥のしわざや。山姥が砂を投げてきたんや」


 山姥。級友の口からも出た言葉だ。迷信めいたその単語、子供騙しのような男の答えを、しかし今は否定する気になれなかった。確かに尋常ではないモノに出会ったからだ。

「わかったら、はよ家に帰れ。帰っておとなしゅう、しておれ。ええな」

 男に肩を押され、七瀬さんは家路についた。川で体を洗いたくもあったが、まずは我が家で落ち着きたかった。川下に残した服と草履を取りに行く気力は湧かなかった。


 家の近くまで来ると、大人たちが浮足立っていた。七瀬さんの姿を見つけるや、父親が家から駆け出てきた。

「家におれと言うたのに、川に行ったな」

 だが父親の口調には、さして責める色はなかった。それよりも気がかりなことがあるらしかった。


「今朝、有馬の婆がんだんや」

 臥せっていた婆が亡くなったのだというが、どうもそれだけではない。


 早朝、看病に来ていた遠縁の主婦が、婆が亡くなっていることに気づいた。だが彼女が人を呼びに行った隙に、遺体が消えたのだという。昼間の騒ぎはそれだったのだ。


 その後、日没も近くなって、遺体を持ち去った犯人が捕らえられた。近所に住む林業の男だった。有馬家には親の代に恩があったようなのだが、彼がなぜそんなことをしたのか、婆の死体をどうしたのか。そんな事情は、七瀬さんたち子供にはごく断片的にしか伝わってこなかった。


 前後して、婆の遺体の方も発見されたらしい。憔悴して帰ってきた捜索隊は、有馬の家の前でぼそぼそと会話を交わしていた。これも、断片的に聞こえたそうだ。


「えらいことをしでかして……」

「いくら遺言や言うて、あんな……」

「あれじゃ、アマンジャクか山姥や……」

「くだらん迷信を……」


 運んだ。

 引っ掛けた。

 吊るした。

 そんな言葉も漏れ聞こえてきた。最初に発見したのはあの酒屋の店員だということも知った。彼は以後、数日間寝込んだと聞く。


 もちろんこれらの言葉を七瀬さんの耳が拾えたのは、彼にも事の次第が半分ほどはわかっていたからでもある。

 ああ、やはりあれは有馬の婆だったんだ。木の上には有馬の婆がいたんだ。

「世が世なら、オレも鎮守の木に登るところや」

 有馬の婆の言葉が蘇る。


 しかし、あの何匹もの巨大な鳥はなんだというのか。膨大な砂はなんだというのか。あれは本当に起こったことなのか。

 森で見たもの、触れた感触。たとえ大人たちが事件の全容を説明してくれたとしても、納得できるものではないだろう。何か異様なことが起こっていた。婆が何をやらかしたにせよ、きっと予定以上の何かが起こってしまった。いや、何かが生まれてしまったのではないか。

 七瀬さんは、握り込んだ砂の感触を思った。指の間に、爪の中に、いや全身のそこかしこに、ざらざらとした砂がまだ残っているのではないか。そんな気がしてならない。



→【付記】に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る