記憶
第7話
美保奈が眼帯の男に連れられてやってきたのは、大きな日本家屋だった。
どっしりとして荘厳な建物に驚いた美保奈はきょときょとしている。対照的にどんどん歩いていく眼帯の男を見失わないよう、美保奈はパタパタと早足でついていった。
『この人……』
美保奈は顔を上げて眼帯の男の背中を見た。
『どこかで、会った……ような』
建物の中にはふわふわと香が漂っていた。甘くかぐわしい香りに当てられた美保奈の考え事は遅々として進まなかった。
突然眼帯の男がスッと足を止めた。慌てて美保奈も立ち止まる。眼帯の男の前に一匹のトカゲが二本足で駆けてきた。トカゲは一生懸命に何かを話しているが、美保奈に聞き取ることはできなかった。トカゲの話を聞いた眼帯の男は小さく吹き出し、その後くすくすと笑った。
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