それぞれの文化祭
校門付近ではそれぞれの宣伝の看板
下駄箱に近い所で吹奏楽部が外で流行の曲や定番のクラシックの演奏。
唐揚げや焼き鳥等の火を取り扱う出し物は外で販売し
お化け屋敷をするところは外からの光が入らないように
黒の幕を窓に引っ付けて光が教室に入らないようにしている。
午前の時間はクラスの出し物であるスーパーボール掬い
それのポイを渡す係だ。
「あー!」
子供が叫ぶ。勢いよくやってポイが破れた。
今度は慎重にやっているが、1個すくって2個目を入れると同時に破けた。
最後のポイは2個入れて計4個だ
「頑張ったねーはいお菓子の詰め合わせ」
「お兄ちゃんありがとう!」
お礼を言って去っていく子供。
次は中学生、難易度普通の1つだ。
「あ、これ破れにくいタイプ・・・なるほど、だから一つか」
この中学生はどうやら経験者っぽい。だが5個入れた所で破れた。
「あ、クッソあと1個で6個以上の景品だったのに!」
悔しいー!と叫んでお菓子の詰め合わせを貰い、並び直してる
あと1個だったから悔しいとなったのだろう。
「このチャレンジをさせてくれ!」
チャレンジャーにそういって脆弱なポイを2つ渡した。
1個目が救い上げる前に破れた。え、こんな弱いのか
「よっわ!?あーだから2つ?」
こっちの意図に気づいたらしく、慎重にすくって2個で破れた。
3個以下は飴の詰め合わせだ。
「ん-次行くか」
そう言って次の催しに向かっていった。
「東谷さん雨宮さん交代」
「お願いします」
「お願いね、行こう悠」
そう言って雫と文化祭を見て回る。
午後に近い時間だ。お腹が空いたしちょっと早いが昼食にしたい
「雫、相葉のいる2-Cの出し物に行こう」
「うん、お願いしてあるし、いけるよね」
相葉のいる2-Cは豚玉を出し物にするらしく、あるお願いをしてもらった
ちょっとした対価を引き換えに。
「いらっしゃい、来たわね」
「はーい友梨ちゃん、豚玉2つー」
「待ってろ!出来立て渡してやるからよ!」
そう言って相葉のクラスメイトは豚玉を紙皿に乗せてソースをかけようとする
が、そこを相葉が止めた。
「待って、その二人にソースはいらない。」
「え、これ無いと味がねえと思うんだがよぉ・・・」
変わってんなお前らと言われながらソースがない豚玉を渡してくれた。
そして対価というのは、このお店の前で食べさせ合えって事だった。
・・・なんで?
「私としては得しか無いからいいけどね、はい悠、あーん」
「あーん・・・」
後々この対価について聞いたら
ソース無しでもあんなに美味しく食べさせ合うって事は
ソース無しでも美味しい豚玉。
カロリーや特に塩分を気にする人が
ソースで加算される分をカットできると判断させる為だったとか
実際塩分を気にした人がやってきてたらしい。
後は恋人同士がたまには出汁しかない味も良いかと食べさせ合っていたとか。
1年の白金君と富士本さんがいる劇を見に行った
シンデレラをやるんだとか。
ただ本日の見せ場はこの時間とでかでかと書かれてるからか
行列ができてる。
この時間は白金君と富士本さんが担当してたが・・・
劇を視聴して思った。うん、そりゃ、この時間かな・・・
だって、シンデレラの見せ場であるキスして目覚める
これを本気でキスするなんて思わないじゃん。
白金君と富士本さんは顔を赤くして何も言わず見つめ合ってる。
それが余計女の子達の黄色い悲鳴を上げさせる要因になった
「いやー劇でも皆の前でキスは度胸あるねー」
「白金君達はどんまいって感じだ」
「次はどこに行く?」
「んー大海君と今古賀さんがいる2-Dに行きたいけど・・・
鉢合わせるとアレだし、美術室行こうか」
「あー・・・行きたかったねコーヒー店という名の休憩所」
相葉から行くなと言われてるので行かない。行けない。
大海君はともかく、今古賀さんが僕らを視認したくないだろうって。
いつか話し合える日が来ると良いが
という事で美術室に来た。
ちょっと人だかりが出来てるので
その作品を確認したら精巧に作られた絵があった。
「さっすが私の思い人ー♪」
っと、金船先輩が護衛を連れて美術室にやってきた。
「思い人って事は、あれ一条が描いた絵ですか」
「そゆこと♪アイツ美術部だから内容全部教えて貰ってるのもあるけどな」
「文武両道ではあるよね一条君」
というか美術部だったのか。金船先輩曰く、幽霊部員らしいが。
それはそうと投票箱が置いてある。
これは看板の前に置かれてるが、いいなと思ったものを投票してもらう物らしい。
美術部の投票はもっとも投票が多かった人が顧問の先生から褒められる。
プライバシーの保護の為、誰の作品か分からなくして
投票の紙の一か所に固め、集計も顧問の先生のみが行うんだとか。
看板の投票は文化祭終了時に集計して、後日発表だ。
「私はこの人のを入れようかな」
そう言って雫と僕は一条以外を入れた。
まあ仕方ないだろ。僕らは
「んー・・・」
珍しく金船先輩が悩んでる。一条一択ではないのか?
「珍しいですね悩むなんて」
「いやー、ハーレムメンバーとしていれるか
令嬢として入れるか悩んだ」
とあっけらかんとした様子で言った。
令嬢としてなら誰に入れるのか気になる
「令嬢として入れてみてくださいよ」
「そういえば令嬢してる姿、私見た事ないかも」
「・・・お嬢様?」
「あ、お前ら!!・・・言っちゃったもんはしゃーないか」
「・・・ごめんなさい。口が滑りました」
もしかしてこれがバレたくなくてげんなりしてたのかな
っまずい、余計な事を言った。
「わ、私もごめんなさい・・・」
「何、気にするもんじゃないが・・・なら令嬢としてなら、これかな」
そう言って見せたのは、まるで誰かに台無しにされた風景画だった
「え、これ?」
「私、苛められてると思ったんだけど・・・」
「確認した。本人はあっけらかんとした様子でこれで良いと言ったそうだ」
「え!?」
この、作品というにはちょっと無理がある気がする状態になったこれを?
「金船先輩がそれって言うなら良いけど・・・一条じゃない理由は?」
「ん-・・・今なら護衛がいるし、いいか。お前ら」
「ハッ」
お前ら、その一言で護衛は察し、動く
一つ分かる事は、空気が変わった。
「お嬢様、一条の姿はありません」
「よし、念のため聞かれないように小さく言う。聞き逃すな」
財閥の異端児が鳴りを潜め、財閥の令嬢が顔を出してきた。
怖い
あの金船先輩を、そう思った。そして金船先輩が一条を投票しない理由を語った。
「一条の絵が一番つまらんからだ」
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