二人から見る雨宮雫


「相葉ちゃーん」

 珍しいお客さんだ。私に用があると思えない人だけど。

「何の用かしら」

「釣れないなーたまには友人の友人と交流しようっと思ったわけよ」

 自由奔放な彼女らしい発言だ。

 だからこそ壁を感じにくくて関わりやすい令嬢って言われてたりする。

 ・・・時々行う奇行や意味不明な問題さえなければ。

「問題、雫ちゃんは例えるとツルニチニチソウだな」

「・・・今までの傾向からして花言葉

 いえ、植えてはいけない毒の花ってところかしら」

「お、一発で看破したの凄いな」

「流石に交流があって問題を出す傾向が分かれば自ずと見えてくるわ

 というか彼が花にして表現するから

 興味本位で調べて自然と覚えちゃったと言うか・・・」

 ツルニチニチソウは幼馴染とか楽しい思い出と花言葉としては良い意味を持つ


 だがツルニチニチソウは

 綺麗な花を咲かせるが見た目に反して強すぎる生命力と繁殖力。

 なので除草が困難で管理しないと辺り一面ツルニチニチソウもあり得る。

 庭に植えれば簡単に侵食するだろう。

 微量だがアルカロイドという毒性を持った花でもある。

 口にすると吐き気を覚えたり樹液を素手で触ると肌が荒れる

 と言ってもそこまでのものだが、覚えておいて損は無い物。

 ちゃんて剪定して管理すれば問題ない花でもある


「で、そんな花を出してくるって何?」

「いやさ。ちょっと聞きたいんだけど・・・」

 ホントに彼女らしくない、雫ちゃん何かしたのかしら

「・・・東谷ちゃん、あれ受け入れられるの凄いなって」

「・・・そうね、だから目の前で食べさせ合えって対価を要求したけど」

「なにそれ気になる」

 教えて上げないと言いながら、あの二人を関係性を改めて考える

 良好な関係をずっと維持してる幼馴染兼恋人


 聞こえは良いものだが

 よく見ると雫ちゃんは外堀を埋めるどころか

 他のの侵入を許さないものになってる


 私は交流があって私から動かないと分かってるから接近しても何もないのだろう

 だが他のが東谷君に近づこうものなら枯らす勢いだ。

 だから東谷君は他のとの接点が私以外無い。

 富士本さんや七瀬さんは植木鉢彼氏持ちで来てるから影響を受けないと言った所か。

 正直Cまで行ってても納得しそうなものだが

 意外とプラトニックな関係でいる。

 そういう線引きはちゃんとしてるって事か

 今が幸せだからする気にならないのか。


 下手しなくても重い女。

 だけど東谷君はそれを受け入れてる

「・・・雫、会話に夢中でつられたんだろうけど

 トイレまで来なくても大丈夫だよ?」

「え?あ!ごめん!」

 そう言って男子トイレの入り口から雫ちゃんがでてきた。


「やっぱすげーな東谷ちゃん」

「ええ、とても凄いわ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る