私が描きたいのは
ちょっとそれ怖い・・・
何考えて描いたのそれ・・・
描きたくて描いたんだ、それの何が悪い。
迷惑をかけてない
何を見せたいのか分からない
コレが私が思い描く世界だ。
それを絵に映しただけなのに
分からないとか言わないで。
だがずっと言われ続けてる内に、皆の望む絵を描いた。
私はずっと酷評されるのが嫌になり
私の世界を見せるのを止めた。
うん、上手く描けてる!
さっすがープロになれるんじゃない?
違う、私が描きたいのはこれじゃない
コレジャナイ!
私が納得してない!こんなの私じゃない!
一条に靡いた時、なんで靡いたのか思い出せない。
弱ってたところを漬け込まれたのかな。
もう、美術部を辞めよう。誰にも理解されないなら、描きたくない。
君がえがく世界を見せてよ
同じ美術部の子にそう言われ
私が皆に見せるのが怖くなって捨てた世界を拾ってくれていた。
わざわざ拾ってくれたんだ。そう言った彼に私の思い描く世界を見せた。
何を言われるのか・・・
でも見せた時、私が求めていたかもしれない物を答えてくれた。
これだよ、1年の時に、魅せられたこれを・・・
君の世界をもっと見たい。もっと見せてほしい
君の世界を知りたい
彼がそう言ってくれるのが私は嬉しくて描こうとした。
どうせなら文化祭で出そうとも思った。
でも文化祭で私の世界を見せるには時間が無かった
せめて彼が拾ってくれた世界を提出しようと。
だけど顧問の先生から許可が下りなかった
怖すぎる。あの風景画でいいじゃないか。
先生は美術専門じゃなく、顧問にされただけで詳しくない
てことは一般的に見せるなそんなものと言われたようなものだ。
悔しかった。
彼に、皆に見せたかった。私の世界を。
彼に侮辱されるかもしれないと思いながらも
水と筆と私が皆の為に描いて提出した絵を持ってくるように頼んだ。
そして私は筆を叩きつける様に動かして自分が描いた風景画を汚し
水で乱雑に洗い流すようにぶちまけた。
私が見せたい物はこれじゃなかったと嘆くように
心の赴くままに、衝動に任せて汚していった。
衝動が収まり、冷静になった。
軽蔑されたかな、と彼を見た時
これも君の世界の一つなんだねと言ってくれた。
私の世界を否定しない、知りたいと言ってくれる人が現れた
私はこの人の一番近くで私の世界を見せたい
離さない。離すもんか。
雨宮さんごめんね
東谷君とあそこまでべったりいてられるのか理解できなかった。
でも理解した。これは、離れられないね。
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