文化祭準備と謎

「2-Bの出し物を決めたいと思います」

 中間テストを終えた事へのご褒美というべき楽しいイベント

 文化祭が近くなってきたので、2-Bの出し物を決める話し合いが始まった。


「何もしたくないから展示品ていう名の休憩部屋」

「帰れ、次ー」

「メイド喫茶!」

「男がメイドするなら良いよ、次ー」

 とふざけた内容には流しながら、出し物を決めていた。

 最終的にはスーパーボールすくいとなった。

 子供も訪れるからやる人はいるだろうし、問題ないだろうという事だ

 

 そしてそれを宣伝する為に看板に絵を塗るとの事

 塗るのに使う絵具とかを美術室からとってきてくれない?っと頼まれたので

 雫と一緒に美術室に向かった

「失礼します。絵具とかを借りに来ました」

「はーい、そこにあるの使ってー」

 おそらく使う為にここに訪れるのを想定していたのであろう美術部の人たちが

 事前に大量に用意してくれていた。

 雫と一緒に道具を持ち、教室に向かった。


 放課後と言えど、時間が経てば日が落ち、暗くなる。

 今日はここまでと道具を返しに雫と一緒に道具を持って美術室に向かった。


 美術室の中で、男女二人がいた

 女の子はずっと何かを描き、男の子はそれを見守るように眺めてる。

「失礼します、道具返しに来ました」

「はーい、そこ置いといて。片付けとくから」

「ありがとうございます。えっと何を描いてるんですか?」

「風景よ。夏休みに見た景色が忘れられなくて」

「風景かー・・・」

「あれ。これどこかで見た気がするんだけど・・・」

 と、雫がどこかで見たが思い出せないと言った様子だった。

「雨宮さん忘れちゃったの?

 金船先輩が無理やり私たちを連れて旅行してた時に見た景色じゃない」

「あ、思い出した!あの崖に近いホテルから見た景色だこれ!」

 知らない間に金船先輩の旅行に付き合わされてたのか・・・


 風景を描く邪魔をしちゃ駄目だ。すぐに退散しよう

「ではありがとうございました。」

「ありがとうございました。もう暗いのでお気をつけて」

「ありがとう、貴方達も気を付けて帰ってね」


 そう言い、僕らは帰路に着いた

 その途中、そういえばと雫が語った。

「言い忘れてたけど

 さっきの女の子がハーレムメンバーの一人、七瀬颯描ななせはやかさん」

「あの人で最後か」

「うん、でも既にいい雰囲気だし、その内に抜けそうよね」

「確かに」

 あの少し暗くなった中で二人でいたんだ。

 それなりの仲になっているんだろう。

 それはそうと

「無理やり旅行って?」

「金船先輩が親睦を深めようと言って全員拉致したのよ

 費用は私持ちだから気にすんなって言われて、皆の親にも承諾を得ちゃってるし」

「はー・・・」

 金船先輩、ホント規格外だな・・・

 しかし全員拉致って事は、一条もいたのかな、と嫉妬心。

「その中に一条もいたんかー」

「ああ、一条君はいなかったよ」

「え?」

 僕は金船先輩の行動が読めない。何がしたいんだあの人

 そう思う内容を言われた



 


 ずっと金船先輩に私達連れまわされてたから

 一条君とは夏休みの間、一度も会ってない

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