文化祭の終わりと抜けるハーレムメンバー

 本人に聞けば分かるんだろうか

 そう思いながら雫と出し物を見て回ってる途中

「あ」

「ヤッホー雨宮さん」

 七瀬さんとばったり遭遇した。

 七瀬さんは何というか、憑き物が落ちたと言った様子だ

 美術室で見た時より活き活きとしてると言える。

「七瀬さん、聞きたいんだけど・・・」

 雫が単刀直入に聞こうと、だが途中で言い淀んでしまう。

 聞いて良いんだろうかって思ってしまったんだろう

 が、七瀬さんは何を聞かれようとしたのか察したようで、あぁと反応した。

「もしかして、あのぐちゃぐちゃになってる私の作品の事?」

「えっとその・・・はい」

「私がやったんだ。顧問の先生も部員達も、顔を青くしてて面白かったよ」

 二人共その時の様子聞きたい?と、けらけらと笑って語ってる。

 この様子からしてホントに自分からやったんだろうなっていうのが伺える。


 ただ聞きたい事としてはこっちかな

 僕が言おう

「作品をああしたのもそうだけど、でも出せた理由の方が知りたいかなって」

「理由かーそうだね。貴方達に近いかも」

 僕たちに似てる?どういった部分が?

「言っちゃなんだけど、雨宮さんの尽くす姿勢って異常と思ってるのよ」

「え・・・そう?」

「自覚ないの?全部相手に合わせようとするじゃん」

 言われれば一条に恋してた時は全部一条に合わせようとしてたな。

 今は僕に合わせようとしてるけど、僕は僕で雫に合わせようとしてるし

「でも東谷君は全部受け入れて雨宮さんに無理させないように合わせようとしてる」

 道具取りに来てた時、雨宮さんより荷物多めに持ってたの見てるしと

 雫を思ってしていた細かい所を確認されていた。

 だって無理させたくないんだもの。


「で。私の場合、絵でちょっとあってね。

 皐月君がそれを全部受け入れて

 それどころかもっと見たいと言ってくれたのよ」

 受け入れてくれる人がいるなら自信もって出せる。

 七瀬さんはそう力強く語ってる、良い関係だなと思った。んだけど・・・

「ぐちゃぐちゃにしたのはアレ色々と気に入らなかったから」

 壊す様子を目の前にして皐月君は心振るえると言った様子で

 受け入れてくれたんだよ、逃すわけないじゃない?と

 七瀬さんが恍惚とした様子で語ってる姿に恐怖した。

 昨日の感じたものってこれが漏れ出てたからか・・・?

「だから私、一条から離れるよ」

 私の闇を知って否定しない人より

 受け入れて共に居てくれる人といたいからと

 一条のハーレムから抜けるのを語っていた。

「んじゃ皐月君のところにいくから。私の世界を見せたいし」

 じゃあねと言って七瀬さんは皐月さんの元へ向かっていった。


「悠、引っ付いていい?なんか寒い」

「うん、僕もちょっと寒いかな・・・」

 そう言って雫と引っ付いてまだ見てない出し物を見て回り、文化祭を楽しんだ。


 教室に戻った時に

 遊助から一条がスーパーボールすくいをしにきてたと伝えられ

 チャレンジクリアされて悔しいと語っていた。


 文化祭が終えた後日、一条から七瀬さんが抜けていた


 残りは今古賀さんと金船先輩の二人だ

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