とある祖母の呟き
「ばあちゃん大変だ、緊急事態だ!助けてくれ!」
ノックもせず、ドアを勢いよく開けた入ってきた孫がそう言ってきた
もういい歳なのに、いつまでもお転婆で・・・
いい加減大人しくならないかしら
「貴女はいい加減、おしとやかに生きるって事が出来ません事?」
「そんな事言ってられねえんだ!今すぐ1億円用意してくれ!」
我が財閥からしたら痛くもない金額
しかしなんの理由も無しにそんな大金を渡すほど、バカではない
「理由を言いなさい。でなければ渡せるものも渡せませんわ」
「えーっとあーっと、そうだ!ばあちゃんこれなんだ!?」
そう言って孫は手のひらを広げて言ってきた
通常ならば。手のひら、5、パーと答えるだろう
だが孫はひねくれてるからこう答えるのが正解だ
「それ31でしょう?二進数での数字」
「正解だばあちゃん!流石!」
ホントひねくれてるわね、これを理解するのに苦労しましたわ・・・
そんな問題を出すためだけに1億円用意しろと言ってきた・・・
訳ではないわね。孫はお転婆ではあるが、バカではない。むしろ聡明だ
いつになく慌てる様子。何があった
「ばあちゃん、私が出した問題って関わって間もない人が答えられると思うか?」
「普通無理でしょうね」
「それが、会って間もない奴に答えられた」
私は手に持っていた紅茶の入ったコップを緩めてしまい、落とす程の衝撃だった
それによって濡れてる状態すら気にも留めない程に
・・・孫の問題を看破したですって?会って間もない奴に?
「・・・それ、たまたまですか?」
「いや30問全部答えられた。偶然じゃ片付けられない」
「なるほど、1億円用意いたします。が、なんの為に?」
用意する事を伝えた事で安堵したのか孫が落ち着き、詳細を話した
だが、それは作り話であって欲しい
そう思わされる内容だ
「今日、胸騒ぎがするから、思う所に行った先でな
女の子達が洗脳されてんのかって状態になってた。
一人の男に一斉告白して、男がハーレムを作った」
「・・・有り得ない」
「有り得ないけど、目の前で見てな。で、夏休みに入るだろ?
そこにいた女の子達全員を、その男から引き離して保護したい
少なくとも夏休みの間だけでも!」
それなら、説明すれば財閥の人たちは納得するでしょう。
お転婆ですが、ウソを言わないのが孫の良い所です。
その孫が真剣な様子で訴えてきたと言えば、財閥の人たちは動くでしょう
ソイツを調べ上げなければ
「その男の名前、分かりますか?」
「ああ、一条誠っていう2年生の男だ。私の問題を答えられた奴だ」
「そいつが死ぬまで我が財閥総出で監視しましょう。放置するには危険すぎる」
・・・そこまで言って思う
孫は洗脳のようにと答えた
一条誠という男、もし洗脳できるのなら。
街の人に女の子達の事を聞きだして保護してる先を見つけ出すかもしれない
転々と、そして一般人には近寄れないようにした方が良いわねこれは。
「使うのなら我がグループ専用の物だけを使いなさい
交通、ホテル、観光といった全てを。民間を使うのは悪手な気がしますので」
「それは助かるが、なんでだ?」
「会って間もないのに貴女の問題全てを答えた存在です
何をしてきても不思議ではありません。こちらで許可を出します」
「ありがとうばあちゃん!」
それを伝えた後、孫はSPにリムジンを走らせて女の子全員を保護し
至る所に連れまわしてたと報告が入った。
私は部下呼び、詳細を伝えた後、命令を下した
「一条誠という男を24時間365日監視できるよう、手配なさい」
「ハッ!」
何もないといいのだけれど
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