告白する二人

 雨が止み、晴れた翌日

 善は急げ

 そう思いながら、意を決した僕はお弁当タイムで雫に有る事を告げる

「雫」

「どうしたの悠」

「今日、時間があるなら、放課後に一緒に来て欲しい所がある」

「いいよ。どこ?」

「校舎裏、そこに一緒に行こう。思いを聞いて欲しい」

 その時の雫の顔は赤くなっていた 


 放課後、帰る準備を整えて雫の元へ向かう

 彼女も準備が出来てたみたいでいつでも良いよと言った感じだ

「行こっか」


 私達の始まりってある意味ここだよねと会話をしながら

 校舎裏に向かった

 確かにここが始まりかもしれない

 一条との関係を切ったこの場所が

「友梨ちゃんと話してて思ったけど、私達、思うあまりすれ違ってたみたいだよね」

「だね、それで一条絡みでひと悶着起きちゃったし」

「だからさ、抱えてる思い、一つ一つ語っていかない?」

「賛成」

 そう言って僕と雫はお互いの思いを語っていくことにした

 先に雫が僕に思う気持ちを語った

 ずっと頑張る姿を笑わず応援してくれてた事

 失敗した時、それを笑わずに次に向けて頑張ろう励ましてくれた事

 成功した時は、自分の事のように喜んでくれた事

 蔑ろにされたのを怒ってくれた事

 一条関係で振り回すだけ振り回してやっぱり止めるを受け入れてくれた事

 細かい所も大切にしてくれてた事

 僕を誰にも渡したくない事


 今思うとかなり大切だったんだな幼馴染の事が

 そう認識させられるとちょっと恥ずかしくなってきた


 そして今度は僕から雫へ思う気持ちを語っていく

 一途に頑張る姿が眩しい事

 何事にも一生懸命な事

 僕の思いを汲んでくれていた事

 大切だからと僕の体を労わってくれた事

 そして雫を誰にも渡したくない事


 あっははは・・・と恥ずかしいのか顔を赤くしながら笑う雫


「・・・」

「・・・」

 お互い沈黙する

 だが意を決するように顔を赤くして告白した


「僕は雫の事が好き。恋人として付き合って下さい」

「うん。付き合いたい。悠、私にも言わさせて」

 そう言って今度は雫が僕に告白した

「私は貴方の事が好き。恋人として付き合って下さい」

「うん、付き合おう。よろしくお願いします」

 僕と雫は、お互いの想いを伝え合った


 その言葉に感極まったのか、雫が抱き着いてきた

 僕はそれを抱きしめ返す

「受け入れてくれるってこんなに嬉しい事だったんだ・・・」

 そういい涙を流した。でもこの涙は嬉し涙だろう

 今ようやっと、雫から満開に咲く花のような笑顔が戻った気がした

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