男子会
「女子会ならぬ男子会ってか?」
大海君の提案で僕ら一条から略奪し隊が集まった。
集まりの命名は遊助が行ったが、なんか嫌な響きだな。略奪は無いだろ。
遊助と勇者実行委員も加えて始まった。遊助は何か違わない・・・
いや、ハーレムを崩す方法をしれたから関係者で良いか。
「で、集まって何するんだい?」
「彼女自慢と行こうぜ!」
大海君が自慢大会しようと提案してきた。
それ大海君がただ今古賀さんを自慢したいだけじゃ?
・・・ってちょっと待て
遊助には彼女がいない。疎外感半端なくないか?
「えっと・・・」
「ああ、俺は聞き役したいからこのままで良い」
「そうなの?」
遊助はそういうの気にしないのか、本人が良いと言うのなら良いけど・・・
「反対が無いなら始めるぜ、順番決めようや」
さて誰から話していこうかと順番を決めた結果
僕、白金君、皐月さん、大海君、勇者実行委員となった。
「じゃあ僕からだね、色々あるけど一言で言うなら感情豊かな犬みたいで可愛い」
「犬・・・?」「土佐犬じゃね・・・」
「犬は犬でもオオカミだろ」
失礼な、ゴールデンレトリバーみたいで可愛いじゃないか雫。
しかもオオカミって結構危険ではなかったか?
「あ、オオカミは浮気しないと聞くのであってると思いますよ」
なるほど、それなら可愛いオオカミだね
犬耳渡したら雫はつけてくれるかな、似合いそう。
自慢したいがたぶん1日あっても語り切れないから
これだけで済ませるとしようか。
「東谷。後で俺に惚気たっぷりで頼む」
「え。まあ聞きたいのなら」
別に聞きたいのなら良いけど、遊助そんなに興味あるのか?
「次は俺ですね」
爽やかイケメンの好青年で僕らの後輩
白金君の番だ。お相手は富士本さんだが、どんな内容を語るのだろうか
「富士本さんは今、運動を好きになれるように
俺と一緒に筋トレとかをしてるんです。
運動不足で中々回数はこなせないのはあるんですが……」
「ですが?」
「……達成した時にこっちに向けてくる笑顔のピースが最高に可愛い」
と、もうこれで終わりといった様子で白金君は顔を赤くしてプイッと横を向いた。
「おおー!いいじゃんねー!」
大海君は大はしゃぎ。自分以外の彼女の惚気を聞きたかったのだろうか
「次は自分ですね」
好青年に見えるが、なんとなく腹黒さがありそうな気もする皐月さん
お相手は七瀬さんだ。
「まあまずこれを見てくれ」
そう言って皐月さんはスマホの画面をコチラに向けてきたが……
おそらく七瀬さんが描いたであろう絵だ。
……内容は螺旋を描くように真ん中に黒い集合体
それに巻き込まれるようなちらほら見える赤とピンク
背景は赤とピンク、その境界線は白といった名状しがたいものだ。
「えっと皐月さん、これは・・・?」
「闇」
「一言過ぎて分からん!分かるように言ってくれ!」
大海君は頭を抱えながら分かるように言ってくれよ頼んでいる。
僕も分からないから解説を頼みたいところだ
「ふむ、では語らせてもらおう。ただし自分の解釈であることは留意してほしい」
そう言って皐月さんはこの絵について語りだした。
曰く、この黒は人が抱える見せたくない闇を表し
巻き込まれる赤とピンクは肉体を蝕む表現
背景の赤とピンク、境界線の白は肉体を表す。
どんどん蝕んでいく闇に体が侵食されている図という事。
「これをさらりと絵に表現できる彼女の心の豊かさと技術力!
これを一番に見れると言う贅沢さ。ああ、誰にも渡したくない・・・」
「狂信者」
遊助がボソッとそう呟いたので小声で聞いてみた
「え、なにそれ」
「月をルナ、ルナからルナティック、名前の信敢を神官にして狂った神官」
酷い言い様だな・・・
だが皐月さんの恍惚とした表情を見るにそう思っても仕方ない気がする。
「んじゃ次は俺よ!」
待ってましたと言わんがばかりに大海君が立ち上がった。
お相手は今古賀さん。クールだけど大海君とならバカやれる子。
正直ここが一番拗れてたから気になる。
「言っちゃえば全部だ!」
「卑怯だぞ!一つ一つ言え!」
「まさかその程度にしか表現できないとは、哀れだね・・・」
白金君は嬉し恥ずかしエピソードを語ったのに言わない事に抗議。
皐月さんは、うん、君は感性と語彙力があるからね。
ちなみに僕も色々言ってない気がするけどスルーされてる。なぜだ。
「だって全部可愛いんだぞ!何が一番とか決めらんねえよ!」
っと、頭を掻きむしるように言う大海君。
何も一番を決めなくても良いと思うんだけどな。
ならここは僕がパスを出そう、そしたら語れるでしょ
「大海君、何も一番を決めなくても良いから
これ可愛かったなーってのを語ると良いよ」
「そうか!ならこれだ!」
うん、直球バカには1番を決めさせないのが良いね。すぐに語った。
「間接キスに気づいて顔真っ赤にしたのが凄い可愛かった!」
シンプルだけど、そういうのを気にして顔真っ赤かー。
あの時の略奪宣言の時にした顔かな、あの時は大海君は見えてない位置だろうし。
「もっとあるぞ!驚いた時の声がすっごい可愛い!他にも服が—―」
「ストップストップ!プライバシーの侵害しそうになってる大海君!」
「うお!?え、あ、すまねぇ!」
と、即座に土下座した。いや、する相手は僕じゃないけど。
どっちかと言えばここにいない今古賀さんにでしょ。
「さて、俺か」
取りを飾るのは勇者実行委員、
意外にも同学年だった。
見た目は細身、俺様な感じするけど責任能力が高い人だ。
やり方は乱暴な気もするけど。
お相手は金船財閥の金船真帆先輩だ。
「馴れ初め言った方が良いか?」
「僕は知ってますが、出来れば」
「了解。体育祭で髪の毛引っ張っただろ、あれが理由だそうだ」
え、あれで・・・?と周りが困惑してる。
そりゃそうだろうな。
特に僕の場合は金船先輩から聞いた時、
勇実さんはそこから詐欺まがいな事を吹っかれられてるし。
自業自得と所あるけど。
「ま、色々あってお付き合いしてる。
が、財閥の令嬢である以上、色々制限がかかる。
王太子みたいなものと思ってくれ。
それで苦にしてるんじゃないかと真帆が気にするもんだからこう言ってやった。」
と、ここで宣言するかのように語った。
何気に下の名前を呼び捨てするほどには仲が深まってたのか。
「お前は風に任せて動く船の如く、自由奔放に動き回ればいい。
俺は追い風になってお前の行きたい所に押して追いかけてやるからよ」
そう言ってやったらアイツ、赤面したんだぜ。と恥ずかし気も無く言い切った。
僕らはもうこの一言しか無かった。勝てない。
「ゆ、勇者・・・」
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