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荻野先輩が、私の兄に頼まれて…

って事は、私の素性も知っているって事なんだと…

今更ながら、恥ずかしくなった。

少なからず最初は演じていたつもりだったから…


「ただいま…」


杉本の家の前まで送ってもらった。


帰りは今までの荻野先輩に戻った様に感じた。


違うのは私なんだ…


「おかえり、はやいじゃんか」


リビングでテレビを見ていたのか、くつろいでいる。


「お夕飯すませたの?」


「あぁ?それより荻野なんだって?あっ、話せるなら話してくれ…」


マグカップの中身が空っぽなのか、立ち上がろうとした杉本をせいし、コーヒーを砂糖とミルクたっぷりで入れる。

ついでに私の分も!


「おお、サンキュー!」


「実は…」

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